第252号 常連顧客への優遇策(問題解決編)

酒井光雄の社長のためのブランド戦略

経営戦略・経営戦術

2013.09.17

酒井光雄(ブレインゲイト代表)

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●セルフ販売チャネルを使う企業の盲点

 企業のブランド力を高める資源として、有形のものには「企業が入居している建物・オフィスデザイン・ユニフォーム・商品(商品のパッケージデザインから商品名、包装紙や手提げ袋まで含む)・商品を販売する店舗とそのデザイン(通販用サイトやHPも含む)」などがあります。
 
 可視化できる要素としてデザイン性にこだわることは不可欠です。例えば食品なら味が良いなどの一次機能が優れていることはもとより、可視化できない価値や魅力を高める要素を加味することが欠かせません。
 
 無形の要素には、「名の知れた常連顧客や著名人からの推奨・歴史・文化度(企業や商品がこだわっている文化性、映画や小説・エッセイなどへの登場や紹介など)・接客・社員の対応(接遇・言葉遣い・人への思いやりや優しさなど)」が代表例です。
 
 可視化できる要素と、目には見えないけれど受け手の心にはしっかりと届く要素を組み合わせることで、ブランド価値は高まっていきます。
 
●お金を出しても入手できない商品を提供する
 
 
 自社の顧客のデータベースをつくる取組みのほかに、顧客データがなくても活用できる方法があります。優良顧客だけに無償で提供される特別な非売品を渡す方法です。
 
 画像の写真は海苔のメーカーで知られる山本海苔店が、デパートにある自店の常連顧客(顧客データベースがないため、販売員が常連顧客だと認識できる人)に提供している非売品のふりかけ海苔です。
外見では安価な品とそうでない海苔とを判別することは素人にはできません。しかし価格の安さでなく、味わいの違いという「価値」で選んでくれる顧客のための限定品だからこそ、そこに希少性が生まれます。
 
 顧客データベースがつくれない販路で顧客を特定するには、こうした特別のおもてなしをする代わりに、顧客名簿に登録してもらえるようにお願いします。これなら常連顧客も嫌がらず協力してくれるでしょう。
 
 顧客名簿をつくらなくても、販売員が常連顧客を特定できるなら、おもてなしの一環として特別な非売品を手渡しします。ただし販売員が退職したり異動になったりすることが頻繁に生じる企業の場合には不向きです。何らかの方法で常連顧客のデータベースをつくって置く必要があるわけす。
 
 

◎経営者の価値作り
常連顧客を大事にしている企業の経営は安定し、ブランド力も強化される。

次回からは新たなテーマでブランドのコラムが始まります。どうぞご期待ください。

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