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健康・メンタルヘルス

2018.12.18

第10回 大沢山温泉(新潟県)寒い冬こそ情緒あふれる「雪見風呂」へ

これぞ!"本物の温泉"

■豪雪地帯の歴史ある温泉地
 12月に入り、寒さが身にしみる季節になった。温泉が恋しくなるのも、この時期である。冬の温泉といえば「雪見風呂」。幻想的な雪景色を見ながら、ぽかぽかとした温泉に身をゆだねる。これぞ、日本ならではの温泉の楽しみ方ではないだろうか。

 大沢山温泉は、新潟県南魚沼市の山間に湯けむりを上げる小さな温泉地。豪雪地帯で3軒の旅館が営業している。寛永7年(1630年)に発見されたと伝わる歴史ある湯が自慢だ。

 大沢山温泉の「里山十帖」は、2014年にオープンした旅館。温泉や食などの特集で知られる雑誌『自遊人』の編集長を務める岩佐十良氏が経営する異色の宿だ。もともと古くからこの地にあった温泉宿を買い取って、全面リニューアル。「グッドデザイン賞」を受賞するほど、洗練された空間に生まれ変わり、人気を集めている。

■天の川を望む絶景露天
 同宿には、夏と冬、2度訪れているが、まったく違う景色を見せてくれる。湯処「天の川」からは、日本百名山である巻機山をはじめ、標高2000メートル級の山々を望む。青い空の下に横たわる雄大な山々の景観は、息をのむほどの美しさ。日本を代表する絶景露天風呂のひとつだ。

 夜は星空が美しい。露天風呂から満天の星と天の川を望むこともできる。実際、肉眼で見える星の数の多さに度肝を抜かれたものだ。天の川を観察しやすいように、あえて照明は暗め、屋根は最小限にとどめてあるという。その心遣いもうれしい。

 泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。透明湯には大量の茶色の湯の花が舞っている。ヌルヌル、スベスベとした肌触りで、昔から「美肌の湯」としても知られる。

 泉温が27℃と低いこともあり、かけ流しと加温循環の併用だが、入浴感はかけ流しそのもの。まったくストレスがないばかりか、湯の個性もしっかり感じられるのは好印象だ。

■一面銀世界の露天風呂
 2月に宿泊したときの風景も印象深い。当日も激しく雪が降っており、あたり一面雪景色。露天風呂の前には雪の壁が立ちはだかり、遠くの景色を眺めることは叶わなかったが、一面、白銀の世界の中で湯に浸かる体験も一興である。

 湯が落ちる音以外何も聞こえてこない静寂の世界。頭はひんやり、体はぽかぽか。いつまでも入っていられそうだ。

 地元の食材を生かした料理も見事。夏に訪れたときには、さまざまな種類の茄子がテーブルの上に並んだ。「茄子にも、こんなに種類があるんだ!」と新鮮な驚きがある。新潟は茄子の作付面積日本一で、20を超える種類があるという。温泉旅館の料理は記憶に残らないものも多いが、里山十帖の料理は個性的で、思い出として心に刻まれる。

 寒さが厳しい冬こそ、雪見風呂が楽しめる旅館を訪ねてみてはどうだろう。温泉の魅力を再発見できるかもしれない。

講師紹介

高橋一喜(温泉アナリスト)

 千葉県生まれ。上智大学卒業後、2000年ビジネス系出版社に入社し、経営者向けの雑誌やビジネス書の編集に携わる。2008年3月、温泉好きが高じて会社を辞め、「日本一周3000湯の旅」に出発。386日かけて3016湯を踏破。現在はフリーランスとして書籍の編集・ライティングに携わるかたわら、温泉ライター...>もっと見る

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