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人事・労務・採用

2018.09.12

第9回 善意が仇となる部下との飲みニケーション

職場の生産性を下げるハラスメントの予防策

飲み二ケーションという単語があるように飲み会は職場においてコミュニケーションの潤滑油として機能していました。
これは今でもやられている方もいらっしゃるでしょうし、良いことだと思います。
部下の悩みを上司が酒を飲みながらざっくばらんに聞き、アドバイスをする。
これを王道パターンと思い、自然とやられている方もいらっしゃると思います。
しかし近年は良かれと思ってやった善意が仇となるというなんとも恐ろしい事態が起きているのでお伝えしていきます。

 

部下のために行ったことがハラスメント扱いされる

「昨日上司のAさんに無理やり居酒屋に連れていかれ、個室で長時間にわたって説教されました。これはパワハラですよね!」

会社の人事部にこのような相談がなされ、すぐさま上司に状況確認をすることになりました。これを聞いた上司は寝耳に水。

「確かに居酒屋には行きました。でもそれはB君が仕事で失敗して悩んでいるようでしたので声をかけて相談にのっていただけです。」

Aさんは何がパワハラだったのか理解できず、逆に怒りの感情がわいてきたそうです。
日頃の状況を見てもAさんにはパワハラ気質はなく、むしろ部下からも信頼されている上司でしたので会社もBさんからの相談を受けた時には驚きを隠せませんでした。
状況確認をしても2人しかいないため、事実認定は難しく最終的な落としどころとしては
上司であるBさんに注意をしたということで終えました。

身銭まで切って部下に良かれと思ってした行為がパワハラ扱いされる・・・

こういうことが起きるのであれば馬鹿らしくて部下の面倒は見なくなるのではないでしょうか。
このケースに関して言えば、会社としてはAさんに対してパワハラ認定はしていません。
しかしAさんとしてはなんとも言い難い複雑な心境になったのは間違いありません。

 

私の女性の友人から聞いた話はもっと強烈です。
Cさんは某大手外資系企業に勤務していましたが、部署が無くなるということで全員整理解雇を言い渡されました。
Cさんはこの会社を辞めたくなかったのでなんとか残れる方法はないかを考えたそうです。
そこで実行したのがとんでもないことだったのです。

Cさんはかつての上司のDさんに悩み相談を持ちかけたら就業時間後に食事をしながら相談をすることになりました。Dさんは別の部署なので整理解雇の対象にはなっていませんでした。お店は個室だったようです。
その夜は普通に食事をして相談をして終わったのですがその後にとんでもない行動をしました。会社の人事に

「Dさんと就業時間後に食事に行ったらそこでセクハラ行為をされた。」

と通報したのです。
どうなったかというとDさんは別の部署に飛ばされ、整理解雇の対象であったCさんは会社に残れることとなりました。
おそらくコンプライアンスに対して敏感な企業なので、Cさんをこのまま整理解雇したら辞めた後に訴えられるリスクを考えたのではないかと思います。
こういうのは規模が大きく余力がある大企業ならではの対応ですね。

 

あらぬ容疑をかけられないための5つの注意点

上司が良かれと思って行った2つの事例をご紹介しましたがどのように感じられましたか?
私はこのようなことを度々耳にするので、ある結論に達しました。

アフターファイブでマンツーマンでの酒席はしない方が良い!

特に上司が男性で部下が女性という組み合わせは避けるべきです。
アルコール、個室、パワーバランスの3つが揃うとセクハラリスクが高くなるからです。
なんとも世知辛い話ですが、善意が仇となるリスクが高いのであればこのくらい
極端にした方が良いのです。
以下は部下からの相談を受けた際の5つの注意点です。

・アルコールは抜きで
・なるべく就業時間内に
・外部で相談を受けるならば喫茶店で
・相談の時間は1時間以内で
・1対1で会わない

これは理想ですので、個人の状況によっても異なります。
部下との信頼関係ができている方であれば、別に5つの注意点を守る必要はないかもしれません。

しかしこれくらいシビアな時代になってきているということは知っておいていただきたいと思います。

書いている私自身も心苦しいですが、真摯に部下と向き合おうとしている方が思わぬ形であらぬ容疑をかけられないようにするにはこうするしかないという結論に至りました。
一番良いのはこうしたことにいちいち気を遣う必要がない会社であり、上司と部下との関係だと思いますし、そのような職場を築いていくことが大事です。

講師紹介

野崎大輔(日本労働教育総合研究所 所長 グラウンドワーク・パートナーズ株式会社 代表取締役)

上場企業の人事部でメンタルヘルス対策、問題社員対応などの労働問題の解決に従事した後に社労士事務所を開業。労働紛争予防解決のスペシャリストとして300件以上の問題社員対応、あっせん、組合対応等の労働問題を解決し、関与した顧問先については労働問題がほぼ発生しなくなる。 労働問題を発生させ...>もっと見る

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