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人事・労務・採用

2018.07.25

第7回 時代錯誤のハラスメント暴君に会社を潰されないための社長の決断

職場の生産性を下げるハラスメントの予防策

最近の不祥事のニュースを見ると、組織内で権力を持った人が超パワハラ気質だということがあります。社員は今まで報復を恐れて言わずに我慢していたけれど、それが公開されてしまい、ますます世間からは厳しい目で見られ、追い打ちをかけてさらに批判をされ評判を落とします。もし皆様の会社で管理職がパワハラ気質であったとしたら気をつけなければいつか足元をすくわれます。会社に傷をつけないためにどうすればいいかをお伝えしていきたいと思います。

 

現代は24時間戦う時代ではない

至学館大レスリング部の監督である栄和人氏が内閣府にパワハラ認定をされ、監督も解任されました。反省の色が見られないということでの解任でした。
これは推測にすぎませんが、栄氏は自分がパワハラ行為をしていたと認識していないのではないでしょうか。

「あれくらい当たり前、何で騒がれているのか分からない。」

と思っているのかもしれません。会社で殴る蹴るといった暴力をした人でさえ、「あれくらいしないと本人は自覚してくれないと思った。本人のためを思っての指導の一環だった」と言う人もいます。このようにパワハラと自覚していない人をどうするかというのは難しい課題です。
以前もコラムでお伝えしましたが、最近はあからさまに暴力をふるう人は減りました。
しかし精神的に追い詰めるような暴力は増えています。
社長は会社内における絶対的な権力者です。
管理職は部下に対して業務上の指揮命令権を持っています。
社員は社長や管理職の下で働いているため、指示に従って動くことが原則となります。
多少無理を言われてもやらなければならないのが社員の立場です。
仕事をする上で気合と根性が大事ということは否定しません。
しかしいき過ぎた気合と根性は時として暴力に変わることがあります。
暴力とは他者の身体や財産などに対する物理的な破壊力と定義されています。
近年はセクハラ、パワハラ、モラハラといったハラスメントも精神的な暴力として認知されています。
かつて「24時間戦えますか?」というリゲインのCMがあったように、高度経済成長期を支えたのは、まさに気合と根性のハードワークだったと思います。
これが当たり前であり、長時間労働が美徳とされていた時代でした。
しかし時代は変わり、ビジネスのスピードは速く構造も変わり、働く人の価値観も多様化してきました。物を作れば売れるという時代ではなく、時間をかければ成果が出るということではなくなりました。
働く人も「会社のために!」といった会社第一主義ではなく、個人のライフスタイルを大切にする人が増えてきたのです。かつては管理職を目指すのは当然という空気もあったかもしれませんが、今は家族との時間が減るなら管理職にはならなくてもいいと考える人もいます。
社長や管理職が強制すれば社員は動くでしょうから一時的に会社の業績も伸びるかもしれません。しかし徐々に病気になる社員や辞める社員が増えてきて社内が疲弊し殺伐とした雰囲気になってきます。このような状況になると問題を起こして揉めごとに発展してしまうこともあります。

 

暴君に歯止めをかけるのは社長の仕事

管理職がハラスメント気質であった場合は、社長は早急に手を打つ必要があります。
悪意を持ってハラスメント行為をしている管理職は問題外ですが、難しいのは会社のために良かれと思ってやっている管理職の場合です。
そして最も悩ましいのは、仕事ができる管理職でハラスメント気質がある場合です。
このような管理職は、次のような傾向があります。

・仕事ができるが故に社内でも一目置かれ、発言権も強い。
・誰も注意できる人がいない。
・こうあるべきという「べき」思考が強い。
・「このくらい当たり前、自分もそうしてきた」という自分のやり方を強く信じている。
・新しい考え、やり方に対してアレルギー反応を示す。

このような場合は暴君と化す可能性が高くなります。
悪気はなく、自然とやっているので誰かが指摘しないと本人のやり方を変えることはありません。部下から言えることはまずありませんので、社長が言うしかありません。
「あいつは会社のために頑張ってくれているから」と思うのは分かりますが、放置しておくと水面下で問題化していきます。問題化する前に手を打っておけば、時間も労力もそれほどかけずに済みますが、問題化すると時間も労力もかなりかかります。
説明するときには時代の変化、リスクなどをふまえて話していきます。
例えばこのように話すと良いでしょう。


「我々の時代と今の時代では仕事に対する考え方が変わってきているから
今のやり方を変えないといずれ社内で問題となる可能性が高い。
部下を怒るなとは言わないし、甘やかすということではない。
これからは部下指導については我々自身も考えていかなければならないから
課題としてこれから考えていこう。」


このように伝えて全社として部下指導についてどのようにしていくかを考えていくことが大事です。
注意指導とハラスメントのボーダーラインは難しいです。
一方的に禁止事項を伝えるのではなく、「何が正しくて何が悪いのか?」ということを社内で考えてスタンダード化することが必要なのです。
人間は強要しても気合と根性を持てるわけでもなく、極端な言い方をすると強要すればするほど奴隷と同じ状態になります。
責任感を持って仕事をするようになれば、目標を達成するために自ずと我武者羅に仕事をするようになります。
社員に自律を望むのであれば、強要ではなく、仕掛けを考えていきましょう!

 

講師紹介

野崎大輔(日本労働教育総合研究所 所長 グラウンドワーク・パートナーズ株式会社 代表取締役)

上場企業の人事部でメンタルヘルス対策、問題社員対応などの労働問題の解決に従事した後に社労士事務所を開業。労働紛争予防解決のスペシャリストとして300件以上の問題社員対応、あっせん、組合対応等の労働問題を解決し、関与した顧問先については労働問題がほぼ発生しなくなる。 労働問題を発生させ...>もっと見る

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