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人事・労務・採用

2016.01.20

【第1回】サラリーマン店長を作ったのは社長です

サラリーマン店長を経営幹部へ

私は過去13年間のコンサルティングを通して年間約4千人、のべ5万人の店長の相談を受けてきました。それらの相談は残念ながらほとんどはサラリーマン的な発想からくる悩みです。つまり自分ではどうしようもない、自分は悪くない、精一杯頑張っている、しかし会社の仕組みや周りに問題がある…と言ったような内容です。経営者の場合は問題が発生しても逃げるわけにはいきません。自ら問題に対し深く考え、問題に向き合っていかなければなりません。しかしサラリーマン店長は自分の立場では最大限頑張っている、まだ後始末してくれる上司や経営者がいるという思いがどうしても抜けません。なぜこのような心理に陥るのか?この心理を理解していな経営者は無能な店長だと店長を攻め立てます。しかし原因は店長ではなく経営者にあるのです。

まずは以下10の問いに対し、「できている」と自信をもって言えるものに「レ点」を入れてください。

□ 1)お店の損益計算書を公開している
□ 2)人事権(採用や考課、人員配置)を与えている
□ 3)販売促進・店内イベント等の提案機会を制度として設け、予算化している
□ 4)経営者または経営幹部との面談機会が年に4回以上ある
□ 5)キャリアプランが明確で将来の展望が見える
□ 6)計画的に教育機会(資格取得・社内・社外研修など)を設けている
□ 7)成果に応じたインセンティブの制度を設けている
□ 8)年間の店舗収支計画を立てさせており、会社の予算に反映している
□ 9)会社の中長期経営計画を発表し、毎年進捗のフィードバックがある
□ 10)店長の事を未来の経営幹部として捉えている

いかがでしたか?全ての設問に自信を持って「できている」とお答えになった経営者はきっとサラリーマン店長が居られない社風をお創りになっていると思います。1つでも「できていない」「十分でない」とお答えになった経営者はまだまだやるべきことがあります。1つずつ取り組んでみてください。
具体的な取り組み内容については第2回以降解説してまいります。

もう一つ、サラリーマン店長を生んでいる原因は報酬です。この件は非常に高い頻度で相談があり、ほとんどが転職を希望しています。「家族を養っていく上で生活できないので転職したい」「このまま店長で居ても収入が増える見込みがないので転職したい」「結婚に踏み切れないので転職したい」と言った具合です。

店長・販売スタッフの平均年収(出典:インテリジェンス「平均年収ランキング2015」)は平均で329万円、昇進してスーパーバイザー・エリアマネジャーは平均476万円です。

店舗の収益構造上、高い報酬を払えない企業もあると思います。成果を出していない店長に高い報酬を払えないもの事実です。しかし、しっかり結果を出した店長については見合った報酬をきちんと払い、他の店長が目標を持てるようにしてあげることも必要です。私のクライアント先(小売業)で店長の賞与を年間最低1.6ヶ月分?最大6ヶ月分まで成果に応じて支払う制度を作りました。
非常に刺激的な制度で頑張った分がきちんと評価され、報酬に結びつくため意欲的に頑張ってくれています。企業の場合どうじても全体の収益状況で報酬をコントロールしなければなりませんが、店長は自分のお店が良い結果だったにもかかわらず他の成果が出なかったお店のせいで報酬が少ないと不条理だ!という感情を持ちます。それが続くと優秀な店長ほどどんどん辞めていくことになります。経営者感覚を持った店長を育成・定着させる為には教育・評価・処遇制度も含めて今一度見直してみてください。

平成28年1月5日
DIC幹部育成コンサルティング株式会社
鳥越 恒一

講師紹介

鳥越恒一(DIC幹部育成コンサルティング株式会社 社長)

2003年 、(株)ディー・アイ・コンサルタンツ入社後、人財開発研究部の担当役員として部門を統 括。2012年にDIC幹部育成コンサルティング(株)を設立し、社長に就任。上場企業から個人店まで、飲食・小売・サービス業の人財育成を通したコンサルティングに従事。年間4000人の店長の相談を受け、...>もっと見る

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