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教養

第103回「スポーツ・アイデンティティ」(著:田崎健太)

眼と耳で楽しむ読書術

 

古猛暑続きの日々ですが、なにか本格的な夏らしさを感じないまま、
秋になりそうな予感がしますね。
 
読書の秋に先駆けて、ぜひ紹介したいのが、こちら。
 
『スポーツ・アイデンティティ』(著:田崎健太)
 
103-1.jpg
 
 
です。

スポーツ・アイデンティティ どのスポーツを選ぶかで人生は決まる/amazonへ
 
組織活性や人材育成に関して、
今までにない切り口で楽しめる一冊です。
 
中心になるのは、
「人格形成にスポーツの選択が関わっているのではないか」という著者の持論
"スポーツ・アイデンティティ"ことSIDです。
 
このSIDを探るべく、野球やサッカー、ラグビーなどの集団スポーツから、
ゴルフや水泳、格闘技といった個人競技などの名選手たちを取材、分析。
さらには、SIDの観点から、経営者や政治家、起業家にも迫ります。
 
「人格形成においてスポーツが大きな役割を果たすとすれば、
幼少期にどんなスポーツを与えられるかは人生の大きな選択になりうる。
それは社会に出た後の人間関係の構築、組織づくりとも関係があるはずだ」
と著者は語ります。
 
たとえば、プロ野球の名将・故野村克也氏は
「投手出身者は監督に向かない」といった趣旨の発言をたびたびしてきました。
一体なぜなのか?
事実、投手出身の名監督は非常に少ない。
本書のSIDの観点から紐解くと、その理由も見えてきます。
 
また、経営者にはスポーツ経験者が多いのも特徴の1つ。
高校時代にバスケットボールの国体選手に選ばれたサントリーHD社長の新浪剛史氏、
慶応大学ラグビー部で大学選手権準優勝したローソン元会長の玉塚元一氏。
今年4月にサッカーJリーグ・ガンバ大阪の社長に就任した小野忠史氏は、
古豪PL学園出身、夏の甲子園で全国優勝した元高校球児です。
あるいは、特にスポーツ経験がなくとも、
スポーツ観戦好きな経営者が多いという印象を個人的に持っていますが、
SID的に見ると、それも偶然ではない気がしてなりません。
 
部下が過去にどんなスポーツを経験してきたか、
あるいは、どんなスポーツを好んでいるのか?
 
取引先の担当者が、どんなスポーツを経験してきたか、
あるいは、どんなスポーツを好んでいるのか?
 
SIDを念頭に置いて、配置や育成、交渉にあたることで、
今までとは違った成果が期待できます。
私自身、自らのSIDを過去のスポーツ歴から考えてみることで
大きな気づきを得られました。
 
また、仕事だけでなく、家庭での子育て、教育のヒントにもなるはず。
本書を参考に、お子さん、お孫さんのスポーツ選びをすることで
人生が変わるかもしれません。
何より、読み物として面白い。
 
経営者やリーダーにとって、適材適所のセンスが磨かれ、
新たな目を開く、掘り出し物になりうる一冊です!
 
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『グリーグ:抒情小曲集』(演奏:舘野泉)
 
103-2.jpg
 
です。

グリーグ:抒情小曲集/amazonへ
 
聴くだけで、涼やかで、頭もスッキリしてくるような
北欧の巨匠グリーグの名曲の数々。
"左手のピアニスト"こと、舘野泉氏による名演が光ります。
まだまだ暑さが続く中、合わせてお楽しみいただければ幸いです。
 
では、また次回。
 
 
 
 
 

 
 

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