【新春・全国経営者セミナー】事業家・若手起業家…日本最大級、経営者700名が集う3日間 

日本経営合理化協会の関連サイト
コア・バリュー経営 戦略的企業文化が会社を変える | 社長の経営セミナー・本・ダウンロード・CD&DVD【日本経営合理化協会】

文字の大きさ

日本経営合理化協会 BOOK&CD・DVD
お電話でのご注文も承っております:03-3293-0041

第17回 ロボット化時代に逆行する「人主導型店舗」の提案

第17回 ロボット化時代に逆行する「人主導型店舗」の提案

グーグル開発の人口知能が囲碁チャンピオンを打ち負かしたというニュースを受けて、「ロボット」開発の未来が秘める可能性と脅威が全世界で盛んに論じられています。
 
昨年の夏、サンフランシスコに半自動化の無人レストランがオープンしました。iPadでオーダーを入れると、3分から5分で出来上がった食事が壁面にずらりと並んだロッカーのような箱の中に出現します。壁の向こうの調理場には人がいるようですが、少なくとも顧客の目には、「コンシェルジュ」と呼ばれるサポート・スタッフ以外には人間の姿はありません。
 
最近、フード・サービス業界関係者がこのレストランを視察に訪れる姿が後を絶たないようです。つい先日は、カールス・ジュニアという大手ハンバーガー・チェーンのCEOが訪問。その際のコメントに興味を引かれました。「これからは自動化だ。人間は高すぎてとても雇えないよ」
 
アメリカでは各地で最低賃金の引き上げが行われており、それを受けて、小売店舗業やレストラン業の「自動化」に拍車がかかっているといいます。特にファーストフード店舗など、「低価格」が売りのビジネスで自動化が進む反面、私はこれからの勝負は「人」にあると思っています。
 
人を「コスト」として見るのか、「投資」として見るのか。そこが運命の分かれ目になるということです。いかに、人を「投資」として捉えて、最大活用するか。お客様接点での体験づくりが決め手となる業種では、この考え方次第で大きな差が出てくるのではないかと思います。
 
アメリカにトレーダー・ジョーズというスーパーマーケット・チェーンがあります。全米で450店舗以上を運営し、年間1兆円以上を売り上げる大企業ですが、まるで昔ながらの「近所のお店」のような温かさがあります。店舗に行くと、従業員の人たちが気さくに話しかけてきてくれます。レジでお金を払う時も、「これを買うのははじめて?」「こういう風にして食べると美味しいよ」などの会話が交わされます。試食コーナーがあって、その周りにはいつもお客さんがたむろし、店員さんとお客さん、あるいはお客さん同士が世間話に興じていたりします。店に通っているうちに、一人ひとりの店員さんと顔見知りになり、「買い物に行く」というよりは、「〇〇さんに会いに行く」ことを楽しみにして店を訪れるようになるのです。
 
トレーダー・ジョーズの従業員さんたちの「ごく自然な、飾らない接客」は、彼らの「コア・バリュー」とそれに基づく採用や教育のたまものです。
 
WOWの(お客さんを驚嘆させる)体験
反官僚主義(各自が自由裁量を発揮できる)
各店舗がブランド(各店舗で日々創られる体験こそが「トレーダー・ジョーズ」ブランド)
ナショナルかつローカル(地域住民と密接につながった店舗をつくる)
 
などのコア・バリューが見事に店舗体験を形作っています。
 
つい最近では、低コスト運営で知られるあのウォルマートさえもが、最低賃金を引き上げ、店舗従業員の教育強化に実質的に乗り出しています。それがどこまで効果を発揮するかは今後の結果のお楽しみ、というところですが、いよいよ本格化するネット時代と、ロボット化時代の予兆を背景に、「人のもつ潜在性」が改めて注目を浴びているのは確かです。
 
実店舗でもネット・ショップでも、果たして「自販機型プレイヤー」になるのか、人のパワーを駆使した「体験型プレイヤー」になるのか。重大な選択が経営者に迫られているようです。
 
 
 

バックナンバー

2016.07.22
第20回 好業績を生む「善意の文化」という経営方針
2016.06.10
第19回 従業員の声を聴く「最善の方法」は?
2016.04.29
第18回 企業よ、大志を抱け:コア・パーパス「必然」の時代
2016.03.25
第17回 ロボット化時代に逆行する「人主導型店舗」の提案
2016.02.26
第16回 『アメリカで最も優れた中小企業』25社の半数が「コア・バリュー」をもつ理由
  1. ≫記事一覧

経営コラムニスト紹介

ダイナ・サーチ、インク代表 石塚しのぶ氏

石塚しのぶ氏(ザッポスの奇跡の著者/ダイナ・サーチ、インク代表)

米国で日々生まれている優れたビジネスモデルや事業アイデアを収集、分析し日本企業へ提供する日米間ビジネスコンサルタント。幾度の経済危機を乗り越え躍進続ける米国最強中小企業群の経営手法を研究し、会社が強く結束する「コア・バリュー経営」を開発し発表。指導先が採用したところ「社員の働き方が変わった」、「社員に言葉が伝わりやすくなった」、「売上利益が伸びた」…と経営者から反響を呼び、導入指導、戦略立案アドバイスに飛び回る。南カリフォルニア大学卒業後、アポロ11号が成し遂げた人類初の月面着陸に衝撃を受け、コニックスバーグ・インストゥルメント社でNASAプロジェクトに従事した後、独立。日米間のビジネス・コンサルティング会社、Dyna-Search, Inc.をロサンゼルスに設立。 主な著書に「売れる仕組みに革命が起きる」、「ザッポスの奇跡」、「未来企業は共に夢を見る」他。

【新 刊】理念浸透の《コア・バリュー経営》のやり方CD 好評発売中!

ザッポスの奇跡の著者ダイナサーチ、インク代表石塚しのぶ氏の経営コラムに関するお問い合わせ