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第81講 クレーム対応成功の法則はまず『親身的対応7つの手順』で運ぶこと(9)

クレーム対応 実践マニュアル

クレーム対応成功の法則『親身的対応7つの手順』(9)『アクティブリスニング』の手法を使って
(※秀和システム刊 『ポケット図解 クレーム対応のポイントがわかる本』より、一部抜粋と加筆)
 

なぜそんなに怒っているのかは『アクティブリスニング』の手法を使って。

軽微な事例にもかかわらずとても興奮しているお申し出者ほど、ご自分にとってたいへんなお困りの事情があります。お客様はおしなべて怒りながら担当者に『質問』をたくさん投げかけてきます。その質問にこたえることよりも、お客様にたくさんしゃべらせることが最も重要なこと。そのためのテクニックは『質問』に答えないことです。


お客様は怒りながら担当者に『質問』をたくさん投げかけてきますが、クレーム対応では、その場合『質問』で返すというテクニックを使わなければなりません。
『怒っている人や緊張している人のお話しは、表面上のお話しであり、本音は水面下に隠れているものだ』という心理学をご存知ですか?
これまでもお申し出者にたくさんしゃべらせることをたびたびお願いしてきましたが、表面上のことを何度も繰り返されてしまうだけでは、対応の時間が無駄に長くなるだけですから、できるだけ会話の前半で、お客様の本音を吐き出してもらうために必要なことは、担当者が関心をもってしゃべらそうとすると、合理的に相手の本音をしゃべらせることができます。
何をしゃべらせるかと言うと「なぜ、そんなに腹が立つのか」の理由とその根拠になる困っている事情です。それらのことを早く言っていただければ、担当者としても寄り添いながら、投げかける言葉を見つけることもでき、特別に対応してあげられることもあるかもしれません。しかし、お申し出者は自分の個人的な事情や考えをすぐに、たっぷりとさらけ出そうとはしません。なぜなら、そんな個人的事情に企業がいちいち耳を貸さないことを知っているからです。でも、お客様には、企業に共感してもらいたい個人的な事情があるのです。


製品の問題が自分の気持ちを複雑にさせていることを話したがっている。だからアクティブリスニングの手法を使って話しやすくしてあげる。

アクティブリスニングというのは相手の本音を聞き出す会話法です。お申し出者が興奮しながらしゃべる会話の前半で、あなたに投げかけられた『質問』には、『質問』で返し、回答をしないことです。これがアクティブリスニングの手法です。
例えば「こんな小さな表示で消費者がわかると思っているんですか?」と質問されたら「そのサイズになっていることはですね」と回答しないで「ずいぶん読み取りにくかったでしょうか?」と質問をしてみたり、「なんでこんな契約内容になってるの?」と質問されたら「その契約はですねえ」と回答をしようとしないで、「ご納得いただけてない点を具体的にお教えいただけますか?」のように質問で返すことをやってください。そうすると「なぜそのことにこだわっているのか」「そんなに腹がたつのか」の本音のお話しが聞け、新たな突破口が開く可能性が高くなります。


実は、『質問』には3つのタイプがあります。1つは『(1)本当に答えがほしい質問』、2つめは『(2)自分の気持ちに共感しているかどうかを図るための質問』、3つ目は『(3)自分の話しを広げるきっかけづくりのための質問』です。申し出者が製品の状況や自分の気持ちをしゃべっている時に投げかけてくる『質問』は、(2)と(3)のタイプのものであることが多いのです。つまりいちいち答えてほしいとは思っていません。だからこの時の『質問』には『質問』で返すようにしてください。 ラポールをかけ、本音を理解してから説明をすると言う手順を守って下さい。

中村友妃子          


※中村友妃子講師のクレーム対応教材「クレーム対応の基本」シリーズMP3・CD・DVD はこちら

 

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