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人事・労務

第27話 中途採用で後悔しないための手順

「賃金の誤解」

 元気な社長と採用の件でお話していると、時に中途採用の失敗談で変に話が盛り上がったりする事があります。
 中途採用に際して10分ほどの面接シーンを想像してみてください。社長がおられ、人事担当役員(時に社長夫人)と、配属を考えている部門の長が同席されることが多いのではないでしょうか。そうした折、社長の「気に入った」の一言で採用が決まりました。
 そのことがなぜ問題なのでしょうか?人事担当役員は後日「私は危惧していたのですが、社長の即決には逆らえません。しかし案の定・・・」といった話には事欠きません。
 採用面接は多くの場合、応募者とは初対面であり、その人のありようを見抜くことは大変難しいことです。そんな時、社長は「俺の第一印象は間違ったことがない」。と自信満々、採用を決めました。ところが入社後、仕事をやらせてみたらできないだけならまだ良かったのですが、変に労基法に詳しく、自己主張、権利主張を繰り返すトラブルメーカーだったりするご時世ですから大変です。
 
 ところで、社長は「傍目八目」という諺をご存知でしょうか?路傍の縁台で碁を打つ二人が居ます。本人同士は真剣に次の一目を考えています。そんな時、野次馬が集まり始めます。そうした野次馬たちは碁を打つ本人達より客観的に八目先、時にはゲームの進行までを冷静に読みきっていたりするという話です。
 この諺を中途採用に例えれば、社長が真剣に応募者を見極めようとすればするほど、周りの冷めた目が欠かせないということです。なせなら、社長の判断とはその人から受ける印象であり、好印象を持ってしまった場合には、アバタもエクボ、もはや修正が効かなくなってしまうからです。
 「俺の第一印象は間違ったことがない」。と自信を持っていても採用を即決してはならないのです。なぜなら、印象とはその応募者の舞台化粧のようなものであり、採用後の活躍する姿を思い浮かべたとしても、期待が大きいほど実像はかけ離れていることが多いからです。
 採用してから期待はずれだったとか、給料分働いてくれないと嘆くことのないようにするためにも、結論を出す前に複数の面接担当者の判断を集約することが必要であり、面談から受けた印象に加えて、現在どんなことがどこまでできるか(知識・適正)に加えて、これから先、採用後の組織の一員としての仕事力を冷静に見極めねばなりません。
 採用面接のような人が人を判断する場面では、アバタもエクボ(ハロー効果)が最大の問題であり、そのような誤差を少しでも減らすためには複数の冷めた目が必要なのです。複数の採点者による傍目八目が手法として最も有効なのです。決して社長一人の印象で採用者は決めないでください。特に異性(女性)を面接するときには頼りになるベテラン(女性)社員の判断を重視してください。

 

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