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第30号 「ディッピンドッツ」

第30号 「ディッピンドッツ」


 世界一のアイスクリーム大国アメリカ。スーパーマーケットにはバケツのような大きさの
アイスクームが大型ショーケースにずらっと並び、ショッピングセンター内のアイスクリームショップは
週末ともなると大賑わいをみせる。

 日本へも進出しているコールドストーンクリーマリー、二大高級アイスクームブランドの
ハーゲンダッツやベン&ジェリーなどはどこも大人気。
  2005年の売上市場規模は216億ドル(約2兆5920億円)に達した。

 ※International Ice Cream Association 06年資料より

 消費の内訳は、家庭内82億ドル(約9840億円)、外食135億ドル(1兆6200億円)。
1人当たりの消費量は日本の3倍に達するという。
 さて、この老若男女を問わず広く人々を魅了してやまないトリーツ(Treats)の王様アイスクリーム。
今回は、デビューから19年。開発者自らが「未来のアイスクリーム」と謳うユニークな
商品をご紹介する。

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 ディッピンドッツ(Dippin’ Dots) http://www.dippindots.com/

 「ディッピンドッツ」
【特性】

1.1987年微生物学者によって発明された「未来の新触感アイスクリーム」
2.液体窒素で急速冷凍するため、2~5ミリのコロコロ・さらさらした独特の形状に
3.空気注入をしないので、味と香りが1粒にギュッと凝縮されている
4.独特の舌ざわりと、濃厚でサッパリした他にはない味わい
5.流通過程で原型損傷が発生しない
6.また店頭でサーブするスタッフにも失敗がなく取り扱いやすい  
7.1994年アーンスト&ヤング企業家大賞ノミネート

 ※ アジアでの販売権はディッピン・ドッツ・コリアが握っており、03年後半より、
   日本の貿易流通業者「グラドコ社」に供給を始めている。
※※ 日本では、米国ほどフレーバーの種類がなく、店数も少ないないため、
   米本土やハワイのアラモアナ店での体験がしばしばネット上で話題になっている。

2007年7月時点)
 スモール $3.00
 ミディアム$4.00
 ラージ  $5.50

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  この一風変わったアイスクリーム。食べてみると甘さが後からやってくるやさしい味。
開発者が自慢する通り商品歩留まりは高い。オペレーションも簡単。
巨大市場のクリーンヒットになれそうな良い事だらけである。
 日米におけるネット上の評判をザーッと検索してみたが、賛否両論あるものの、好意的な意見も
多く見受けられる。しかし、これがなかなか普及に弾みがつかないのだ。何故か。


 商品そのものの革新性だけに頼りすぎて、ブランド・マーケティングの発想が
欠けているからではないだろうか。
 同社は、ブランド(価値の集合体)として、消費者のこころの中で
うまく育っていないのではないかと思われる。
 ブランド確立ができていない最大の理由は、カテゴリー(ポジショニング戦略)が
曖昧な点にあるのではないか。

 これだけ革新性の高い商品なのだから、どの「カテゴリー」で勝負をするのか、
じっくり考えないのは勿体ない。
 同社のアイスクリームは、「未来の」とうたうだけあり、
逆にいうと「アイスクリームたらしめている要素」のいくつかが欠けている。
 つまりこれは、アイスクリームなのか、アイスクリームではないのか、というところから戦略を
練り直すべきではないか。商品ポジショニングがあやふやなため、
誰のため・何のための店なのか、よくわからないのだ。
 結果として、現在は、子供向けの駄菓子屋のような業態になってしまっている。

 また、提供側が発するメッセージと消費者ベネフィットがうまくかみ合っていない。
  同商品の革新性を表現するため、いたるところで「微生物学者が開発」とうたっているが、
  食べ手の立場に立つと、果たしてこれは、同商品のおいしさや楽しさ(デザートとしての価値)と
結びつく特性だろうか?

 表現している店舗も、Webサイトも同様。未来という言葉の割に、80年代を想起させる
色使いとデザイン。
  20年前の「未来のアイスクリーム」を20年前のまま売り続けているのだ。

 せっかく革新的な商品なので、ブランド・マーケティングの発想さえ持てば、
普及・定着への道が開かれると筆者は考える。


自動販売機の映像をユーチューブで発見!
こちらからご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=XZJE2H90IW4

 

 

 

 

 


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経営コラムニスト紹介

Food Information Technology フードビジネスコンサルタント 山本洋三氏

山本洋三氏
Food Information Technology
フードビジネス
コンサルタント

米国の成功法則を、どうすれば日本で横展開できるのか…。

独自の『業態ワンボイス(ひとこと集約)』論コンサルティングの応用で、
米国のビジネスモデルをアレンジ。無理のない方式で日本企業への導入に
成功している注目のコンサルタント。


常に“まず訪ねる、まず観る、まず触れる”の現場主義を貫きながら、
「業態論」と「ブランドマーケティング論」の理論的側面からの考察をも併せて、
成功要因とリスク回避の方策を分析。
食品メーカーや大手料飲サービスFCをクライアントに有し、社長直属の
“知恵袋”としての情報提供や、年2~3度の帰国に合わせた
「流行・定点観測セミナー」の開催など、日米をフィールドに活躍中。


1957年兵庫県生まれ。79年、京都外国語大学英米語学科卒業後、渡米。
ロサンゼルス地区にてレストランに勤務。
その間、ハリウッド(映画・音楽・テレビなど)の授与式や
オープニング式典等のケータリング・演出を数多く担当する。


97年、その手腕を請われて流通コーディネーターに転身。
00年、フードサービス専門コンサルタントとしてMDPアソシエーツ
(カリフォルニア州モントレーパーク)に参画・独立。
01年、『業態ワンボイス』論コンサルティングをさらに拡げるべく、
フード・インフォメーション・テクノロジー
(FIT社、アリゾナ州スコッツデール)を設立、現在に至る。

山本氏が代表を務めるFIT社は、フード・ビジネスを中心としたコンサルの他、
「日本経営合理化協会アメリカ視察団」等、一般公募視察の現地コーディネート、
また、企業ごとにカスタマイズするオーダーメイド現地研修、米国企業との
交渉・業務提携の仲介業務などを専門支援する。

『アメリカ社会と外食マーケット論考』
(柴田書店「月刊食堂」2004年9月号~2005年2月号)
MOOK『NYデリ・カフェ、LAファストカジュアル』
(柴田書店)の構成・執筆協力、 『フードビズ』(株式会社エフビー、 15号より連載)
他、専門レポート等の執筆多数。

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