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第9号 ミセス山本の 《注目業態》 辛口ウオッチング
「日本の常識、米国の非常識」

第9号 ミセス山本の 《注目業態》 辛口ウオッチング
「日本の常識、米国の非常識」


新年明けまして おめでとうございます。

  2006年も、「食の業態」視察や経営指導でスケジュールは目白押し。有難いことです。
クライアントの方々とのその打ち合わせも兼ねて、年末に一時帰国しておりました。
  短い期間の滞在でしたが、多くの経営者・経営幹部の方々とお会いすることができ、食ビジネスの方向性、
米国の流行で日本でも可能なもの、また逆に、米国へ輸出できるもの…等、実りある情報交換の機会を
過ごすことができました。


  さて今回は、そんな情報交換の中で時々出くわす、
“えっ、日本では当たり前なんだけど、米国ではそうじゃないの…”って
驚かれる国民性や文化の違いを、「食の業態」の事例でピックアップしてみたいと思います。

  四半期ぶりの“辛口コラム”続編として、私のパートナーMrs.Yamamotoがご案内申し上げます。是非、ご一読ください。 


山本洋三

 


  過去の遺物として2005年に置いてきた言葉がある。

        「日常業態」・「非日常業態」
 

  少なくとも、米国フードサービス業では、「日常」・「非日常」という軸で業態を分類しない。理由は簡単。
人種と所得に応じて生活が分断化されている米国では、全員共通の「日常」・「非日常」が存在しないためだ。

  と、考えた場合に、日本は?
  いよいよ本格的な二極化の時代が始まろうとしている日本においても、満場一致の共通的な「日常」など、
すでに存在していないのではないだろうか。

  今回は、日本のフードサービス業界で頻繁に使用される「日常」「非日常」について考察・定義し、これをベースに、
米国で元気のいい「カジュアルプラス」について触れてみたい。

■日常・非日常とは何か

  業態を「日常」と「非日常」で分ける考え方は日本のフードサービス業界では極めて一般的なようだ。
何をもって日常・非日常とするかは、おおよそ以下の通りになるのではないかと整理をしてみた:

    (1)客単価の高低に応じて
    (2)利用頻度の高低に応じて
    (3)利用動機に応じて
    (4)料理、サービス手法、提供方法に応じて
    (5)空間・空間演出のめずらしさや意外性の程度、有無に応じて


  上記を突き詰めれば、結局のところ、日常・非日常とは「頻度」であると考えて良いのではないだろうか
(他の項目は、すべて頻度への理由になっているかと思う)。よく利用するか・しないか、気軽に利用するか・しないか、が、
「日常」・「非日常」の正体なのだ。

  だとしたら、一体、ある業態が日常で、別の業態が非日常、とは、誰の目から見ているのだろう?
日常・非日常とは、「誰かにとっての」頻度の話である。頻度であるならば、場所そのものを指すというのは、
おかしいのではないか。
  例えば、仕事をする女性にとって、「公園」で時間をのんびり過ごすことは「非日常」だとする。
しかし、幼児を持つ母親にとっては、「公園」で子供を遊ばせるのが「日常」となる。
「公園」そのものは、日常でも非日常でもないのだ。このように、「誰の」が抜け落ちている「日常」「非日常」には
意味がないのではないだろうか。
  長らく日本は「総中流」といわれる時代が続き、多くの人にとっての「日常」と、「非日常」が存在したのかもしれない。
 

  しかし。そんな過去においても、非日常業態の代表選手である「ファインダイニング」が本当に
「非日常業態」だったのか?というと実は違う。

  名店と呼ばれるファインダイニングを支えてきたのは常連であると考える。
常連(ヘビーユーザー)がいるから商売なのだ。例えば、LAのスパゴというファインダイニング。
息の長いブランドとなっているのは、高頻度で通ってくる常連がいるからだ。
  スパゴの’ジューイッシュ・ピザ’を食べることを日常とする常連が店を支えているのではないだろうか。
 

 


■あらゆるビジネスを支えるのは常連「ヘビーユーザー」

  「非日常」業態とは何か? あらゆる人にとっての「非日常」とは、商売にならない、という意味だ。
常連がいないレストランなど、あっという間に潰れてしまう。

 

■カジュアルプラス

 米国で元気のいい「カジュアルプラス」。
日本では、「日常」と「非日常」の中間「小バレ」と表現されている業態である。しかし「小バレ業態」ではない。

  というのは、定点観測をくり返すと、カジュアルプラスは、やはりヘビーユーザーで溢れている。
ある層が高頻度で通う業態となっているのだ。カジュアルプラスは、「富裕層のファミレス」として機能している。
  子供の姿はほとんど見かけないので、「大人のファミレス」ともいえるかもしれない。
客単価は15ドル~24ドル99セントの範囲に分布する。原型はヒューストンズ。
 

「ヒューストンズ」ホームページ http://www.hillstone.com/

 

では、次回から2回にわけて、カジュアルプラスの盛業ブランドをご紹介する。

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~ヒートアップするフローズンヨーグルト市場~
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経営コラムニスト紹介

Food Information Technology フードビジネスコンサルタント 山本洋三氏

山本洋三氏
Food Information Technology
フードビジネス
コンサルタント

米国の成功法則を、どうすれば日本で横展開できるのか…。

独自の『業態ワンボイス(ひとこと集約)』論コンサルティングの応用で、
米国のビジネスモデルをアレンジ。無理のない方式で日本企業への導入に
成功している注目のコンサルタント。


常に“まず訪ねる、まず観る、まず触れる”の現場主義を貫きながら、
「業態論」と「ブランドマーケティング論」の理論的側面からの考察をも併せて、
成功要因とリスク回避の方策を分析。
食品メーカーや大手料飲サービスFCをクライアントに有し、社長直属の
“知恵袋”としての情報提供や、年2~3度の帰国に合わせた
「流行・定点観測セミナー」の開催など、日米をフィールドに活躍中。


1957年兵庫県生まれ。79年、京都外国語大学英米語学科卒業後、渡米。
ロサンゼルス地区にてレストランに勤務。
その間、ハリウッド(映画・音楽・テレビなど)の授与式や
オープニング式典等のケータリング・演出を数多く担当する。


97年、その手腕を請われて流通コーディネーターに転身。
00年、フードサービス専門コンサルタントとしてMDPアソシエーツ
(カリフォルニア州モントレーパーク)に参画・独立。
01年、『業態ワンボイス』論コンサルティングをさらに拡げるべく、
フード・インフォメーション・テクノロジー
(FIT社、アリゾナ州スコッツデール)を設立、現在に至る。

山本氏が代表を務めるFIT社は、フード・ビジネスを中心としたコンサルの他、
「日本経営合理化協会アメリカ視察団」等、一般公募視察の現地コーディネート、
また、企業ごとにカスタマイズするオーダーメイド現地研修、米国企業との
交渉・業務提携の仲介業務などを専門支援する。

『アメリカ社会と外食マーケット論考』
(柴田書店「月刊食堂」2004年9月号~2005年2月号)
MOOK『NYデリ・カフェ、LAファストカジュアル』
(柴田書店)の構成・執筆協力、 『フードビズ』(株式会社エフビー、 15号より連載)
他、専門レポート等の執筆多数。

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