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第1号 「米国をそのまま持ち帰っても...」

第1号 「米国をそのまま持ち帰っても...」

(1)【米国をそのまま持ち帰っても・・・】

 米国の業態モデルをそのまま持ち帰り、失敗した話は枚挙にいとまがない。

 何故このようなことが起こるのか。
これは、"米国と日本の社会背景が違うから"、というだけにとどまらない問題であると考える。
ニーズの解明(それ以前に社会背景の把握)と、業態収益構造の解明。この両者が同時になされていないからではないか。

 フード・サービス業に欠かせない「業態バランス」の話しは、なぜか抜け落ちてしまう場合が多い。
レストランの収益構造とは、"何かを取ったら、何かを捨てる"トレードオフを基本原理としている

 現状、「何に特化したか」は話題になりやすいが、「何を捨てたか」はほとんど議論されていない。
本来は、「何を捨てたか」も見つめないと、未完成な業態分析になってしまう。「特化した部分」にだけ注目するため、
内外装の新奇性だけ、メニュー構成だけ、素材だけ、接客方法だけ、動線設計だけ・・・、を持ち帰ってしまう。

 新しいアイデアを持ち帰るのが悪いとは思わないが、レストランとは「全体」である。
切り貼りが奏功する場合というのは限られている。整合性(業態バランス)が商売としてのキーである
フードサービス業とは、「全体のバランス」なのだ。

 


(2)【2つの消費キーワード】

 消費者に支持の高まりつつある業態を浮かび上がらせるため、業態マップを作成してみた。

 過去1年間の業界誌から様々な消費傾向のキーワードを拾い、外せない要素として
「内外装の新奇性」と「手づくり感」を抽出し2つを掛け合わせたのが(表1)である。

 内外装の新奇性、手づくり感ともに高く、消費ニーズに貢献しているのは、ファインダイニングの一部、
カジュアルプラス、ファストカジュアル、であるといえる。実は、ここにポジションする業態は、「店舗デザイン」、
「メニュー設計」でベンチマーキングの対象になりやすい。

現在、アメリカで話題になりやすい業態キーワードは「内外装の新奇性」×「手づくり感」である。
 

 


次回より、消費ニーズを軸に新旧ブランドから独自性の高い業態を抽出。
差異の価値化と業態バランスをご説明していきたい。

バックナンバー

2010.06.10
第30号 「ディッピンドッツ」
2010.06.10
第29号 「ピンクベリー」
~ヒートアップするフローズンヨーグルト市場~
2010.06.10
第28号 「コールドストーン・クリーマリーのゆくえ」
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第27号 「ミール・アッセンブリー(Meal Assembly)」(4)
2010.06.10
第26号 「ミール・アッセンブリー(Meal Assembly)」(3)
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経営コラムニスト紹介

Food Information Technology フードビジネスコンサルタント 山本洋三氏

山本洋三氏
Food Information Technology
フードビジネス
コンサルタント

米国の成功法則を、どうすれば日本で横展開できるのか…。

独自の『業態ワンボイス(ひとこと集約)』論コンサルティングの応用で、
米国のビジネスモデルをアレンジ。無理のない方式で日本企業への導入に
成功している注目のコンサルタント。


常に“まず訪ねる、まず観る、まず触れる”の現場主義を貫きながら、
「業態論」と「ブランドマーケティング論」の理論的側面からの考察をも併せて、
成功要因とリスク回避の方策を分析。
食品メーカーや大手料飲サービスFCをクライアントに有し、社長直属の
“知恵袋”としての情報提供や、年2~3度の帰国に合わせた
「流行・定点観測セミナー」の開催など、日米をフィールドに活躍中。


1957年兵庫県生まれ。79年、京都外国語大学英米語学科卒業後、渡米。
ロサンゼルス地区にてレストランに勤務。
その間、ハリウッド(映画・音楽・テレビなど)の授与式や
オープニング式典等のケータリング・演出を数多く担当する。


97年、その手腕を請われて流通コーディネーターに転身。
00年、フードサービス専門コンサルタントとしてMDPアソシエーツ
(カリフォルニア州モントレーパーク)に参画・独立。
01年、『業態ワンボイス』論コンサルティングをさらに拡げるべく、
フード・インフォメーション・テクノロジー
(FIT社、アリゾナ州スコッツデール)を設立、現在に至る。

山本氏が代表を務めるFIT社は、フード・ビジネスを中心としたコンサルの他、
「日本経営合理化協会アメリカ視察団」等、一般公募視察の現地コーディネート、
また、企業ごとにカスタマイズするオーダーメイド現地研修、米国企業との
交渉・業務提携の仲介業務などを専門支援する。

『アメリカ社会と外食マーケット論考』
(柴田書店「月刊食堂」2004年9月号~2005年2月号)
MOOK『NYデリ・カフェ、LAファストカジュアル』
(柴田書店)の構成・執筆協力、 『フードビズ』(株式会社エフビー、 15号より連載)
他、専門レポート等の執筆多数。

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