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第84回
"インスタ映え"すると《ペアルック》が復活?!
~ペアで老若男女のダブル需要を掘り起こせ!~

第84回
"インスタ映え"すると《ペアルック》が復活?!
~ペアで老若男女のダブル需要を掘り起こせ!~

 

 
《ペアルック》と言えば、昭和の後半、1970年代・80年代に青春期を過ごした人には懐かしい響きに違いない。
 
しかし、バブル景気に影が差し、平成に入った頃から、「カップルで同じ服を着るなんてイモい、ダサい!」とバカにされ出し、いつしか昭和の遺物と化して街角から姿を消した。
 
ところが、綾小路きみまろ風に言えば、「あれから30年!」
 
英語でジェネレーション(generation)=1世代と言えば、約30年を意味するが、平成30年に迎える近ごろ、ついに《ペアルック》が大々的に復活して来たのだ!
 
 
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ダサかった30年という時間を経て、らせん階段を1周回り、ちょうど、《ペアルック》でデートして結婚した両親の間に生まれた子どもたちが、新たな《ペアルック黄金時代》を謳歌し出したのだとも言える。
 
 
 
●《ペアルック》は自然!生き物は「ミラーリング」で好意を引き出す
 
ヒトのみならず、本来、生き物は「ミラーリング」(Mirroring)と呼ばれる、鏡のように相手に共感して同じ行動を行うことで、信頼感・安心感を与え、好意を引き出すものだ。
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そういった意味では、《ペアルック》などと取り立てて語らずとも、カップルや家族や友達が、同じモノを持ったり、同じ服装や装身具を身に付けることは、古今東西を問わず、極めて自然なことに違いない。
 
 
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彼や彼女ができたら誰しもやってみたいとは思いつつも、《ペアルック》することをはばんでいたのは、“いかにもカップル”とわかってしまうことへの照れから来る恥ずかしさだった。
 
ところが、近年、あるコミュニケーションツールが大流行したお陰で、その恥ずかしさが打ち破られ出したのだ。
 
言わずと知れた、2017年の流行語大賞にも選ばれた“インスタ映え”である。
 
 
 
●“インスタ映え戦国時代”の女性同士に急速に広まった「双子コーデ」
 
2015年頃から、主に写真を投稿するSNSであるインスタグラムが流行し始め、若い女性を中心に、いかにして写真1枚でインパクトを高め、「いいね!」を数多く獲得できるかを競うようになった。
 
一頃流行った「写メ」は死語と化し、今や若い女性の間では、写真そのものを「インスタ」と呼ぶようになっているほどだ。
 
 
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“インスタ映え”するオシャレな写真を撮って加工し投稿することで注目を集める技術は、平成末期の日本を生きる乙女の自己顕示欲を満たす必須習得科目となって来た。
 
 
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そんな“インスタ映え戦国時代”に、女性の友達同士の仲の良さとオシャレ度をアピールする着こなしのコーディネートとして急速に広まったのが「双子コーデ」だ。
 
 
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「双子コーデ」とは、2人がまるで双子のように、着る服の色や柄、身につけるアクセサリーなどを揃えるファッションのコーディネートを意味する。
 
 
 
●ディスニーで「双子コーデ」=女子の友達同士が絆を深める青春の通過儀礼
 
特に東京ディスニーリゾートに「双子コーデ」で一緒に行って写真を撮ってインスタグラムにアップすることは、女子の友達同士が絆を深め、確かめ合うための青春の通過儀礼と言っても過言ではない。
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2017年の11月にも、桐谷美玲と河北麻友子がディズニーでの「双子コーデ」の写真を、「みれまゆディズニー」「さいこーに楽しくて綺麗すぎて幸せだったー おそろコーデしちゃった」と、「#みれまゆ」「#双子コーデ」とハッシュタグを付けて、インスタグラムに投稿し、大きな反響を呼んだ。
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もはや、女優や女性タレントにとっても、「双子コーデ」は、プライベートで業界の友達と楽しみながらできる、事務所公認の広報手段となっている。
 
 
 
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若い女性が、“インスタ映え”を常に追求する中で、友達同士の「双子コーデ」が当たり前の行為となり、その結果、彼氏とのカップルでの《ペアルック》についても、その恥かしさに対する心理的壁を低くしたことは想像に難くない。
 
 
 
●「bon_pon現象」:《元祖ペアルック世代》のオシャレ心に再点火
 
平成末期に始まった《第2次ペアルックブーム》は、1970年代・80年代の昭和にペアルックを楽しんだ《元祖ペアルック世代》の夫婦のオシャレ心にも再び火を灯し出している。
 
その《元祖ペアルック世代》のスターとなり、インスタグラムに投稿される写真が、「かわいすぎる」「オシャレ」「素敵なご夫婦」と世界中から世代を超えて絶賛するコメントが数多く寄せられているカップルがいる。
 
 
 
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もはや、「bon_pon現象」とも言えるブームを巻き起こしているこのカップルは、インスタグラムのハンドルネーム「bonpon511」夫妻だ。
 
仙台市に住む、ともに60代の白髪に黒縁メガネのbonさんと妻のponさんのご夫婦で、511とは1980年5月11日の2人の結婚記念日だ。
 
以前には別のアカウントでネコなどの写真を投稿していたが、娘の「may_59」さんから「夫婦のアカウントをつくれば」と勧められて始めたとのこと。
 
カメラ係のお嬢さんから「手をつないで」と言われ、照れながらポーズを取るお二人の仲むつまじさには誰もが思わず微笑んでしまう。
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2016年12月4日からインスタグラムに2人のファッションスナップの投稿を始めてから、国内外で話題を呼び、現在のフォロワーは実に61万人を超えている。
 
 
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2017年10月には主婦の友社から「bonとpon ふたりの暮らし」を出版するほどの人気だ。
 
新聞などの報道によれば、結婚してから約40年の2人は、学生時代にも《ペアルック》を楽しんでいたそうだが、その後、社会人になって機会が減っていた。
 
夫のbonさんの定年退職後は一緒に出かける機会も増え、また、ペアを意識して服装を選ぶようになったとのこと。
 
昔なつかしいアイビールックをベースに、ユニクロやしまむらのアイテムをオシャレに着こなしている。
 
また、デザイナーズブランドの高級アイテムは、上限を5000円にネットオークションで古着を落札するという身近な感じも世代を超えて共感を呼んでいる。
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「若い頃はペアルックは恥ずかしいと思いましたが、この歳になると羞恥心も無くなりました 共白髪だから許されるのかも知れませんね」
「結婚してから現在までbonは仕事人間で、朝出勤したら帰りは午前様という生活です」
「やっとゆっくりと2人の時間が持てると思うととても嬉しいです」
「今までの時間を取り戻すつもりで、残りの人生を仲良く暮らしていきたいと思っています」
 
上記のような、bonさんと妻のponさんの会話を読んでいると、「夫婦っていいもんだな。《ペアルック》してみようかな」と思い立つ人もいるに違いない。
 
 
 
●「リンクコーデ」でさりげなく《ペアルック》しよう!
 
「でも、やっぱり、こっぱずかしい!」という人には、あからさまな《ペアルック》ではなく、「リンクコーデ」をおススメしよう。
 
「リンクコーデ」とは、誰が見ても同じメーカーの同じ形や色や柄の服装を2人で身に付ける純粋な《ペアルック》ではなく、2人のファッションの一部の柄や色やアイテムだけを「リンク」させたコーディネートのことだ。
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例えば、異なるシャツではありながらも2人ともボーダー柄で「リンクコーデ」してみたり、彼のシャツと彼女のスカートがどちらもストライプ柄で「リンクコーデ」したり柄を合わせる。
 
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色やトーンは同じでも異なっていても、柄の大きさが違っていても問題ない。
 
定番のボーダー柄、ストライプ柄、チェック柄のアイテムを「リンクコーデ」すれば、さりげなく手軽に《プチ・ペアルック感》を2人で楽しめる。
 
あるいは、彼のパンツと彼女のスカートの色調を合わせる「リンクコーデ」や、男女の上着とパンツの上下の色を逆さまにするなど、色やトーンを合わせる「リンクコーデ」もある。
 
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ピュアな《ペアルック》と比べて、「リンクコーデ」は相手とそろえるために同じアイテムを新たに買いそろえる必要がなく、手持ちのアイテムを活用して、手軽に合わせられるので経済的でもある。
 
職場や学校などで周囲には悟られず、2人だけにしか分からない秘密のさりげない「リンクコーデ」は、単純なバレバレの《ペアルック》とは異なる、ちょっとスリリングなワクワク・ドキドキ感を味わえるかも知れない。
 
 
 
●《ペアルック》で老若男女のダブル需要を掘り起こそう!
 
老若男女に広がっている新たな《ペアルックブーム》は、ファッションメーカーや店舗、流通企業にとって大きな商機だ。
 
ファッション業界は、人手不足で人件費が高騰する中、ショップの店員の接客時間、レジ対応時間をなるべく短くし、省力化する必要に迫られている。
 
また、ネット販売においても、1人の家に1アイテムごとを届けていたのでは客単価が低く、効率も悪い。
 
その点、《ペアルック》は、2人で一度にダブルで様々なファッション・アイテムを購入してくれるので、まさに一石二鳥だ。
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さらには、今回の《第2次ペアルックブーム》は、男女のカップルはもとより、同性同士の「双子コーデ」の需要もある上に、若者だけではなく熟年カップルにも訴求できるため、市場のすそ野が広い。
 
一方、以前にこの経営コラムで、
《LLS》(Lifelong Single=生涯独身者)が激増中!
~50歳で男の4人に1人・女の7人に1人が一度も結婚したことがない国の行方~
で解説したように、
近年、生涯シングルの男女が増えている。
 
偶然、似たような色や柄の《ペアルック》のアイテムを身に付けていたことから「趣味が合うね!」と会話が盛り上がることもある。
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《ペアルック》で、老若男女のダブル需要を掘り起こそう!
 
そして、日本の少子高齢化に歯止めをかけるきっかけ作りとしたいものだ。
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経営コラムニスト紹介

マーケティングコンサルタント 西川りゅうじん氏

西川りゅうじん氏 マーケティング コンサルタント


1960年生まれ。兵庫県出身。84年一橋大学経済学部卒業。86年同大学法学部卒業。

在学中に企画プロデュース会社を起業し、30年にわたり赤字の年なく経営。
実家は創業以来63年間黒字の製造販売業を営む中小企業。

「ウォークマン」の販売促進、「ジュリアナ東京」のPR、「福岡ドーム」のオープニング演出、「六本木ヒルズ」「表参道ヒルズ」「三井本館」「コレド日本橋」「京都駅ビル」「上海金融環球中心」のコンセプト立案・商業開発、「愛・地球博」の“モリゾーとキッコロ” や 「平城遷都1300年祭」の“せんとくん”のデザイン及びネーミングの選定・広報、「つくばエクスプレス」や「成田スカイアクセス」の沿線まちづくり、本格焼酎マーケティング研究会座長としての芋焼酎の全国的な人気づくり、「龍馬伝」と連動した高知県「龍馬博」総合プロデュース、日本橋・吉祥寺・柏・瀬戸内7県・沖縄離島の地域活性化に携わるなど、産業と地域の“元気化”に 手腕を発揮している。

東京工業大学・早稲田大学・津田塾大学・甲南大学・東北芸術工科大学・松山大学の非常勤講師、拓殖大学客員教授を歴任。

厚生労働省「健康寿命をのばそう!Smart Life Project」スーパーバイザー
経済産業省「地域の魅力セレクション」審査委員長
林野庁「森林セラピー」戦略会議座長
(社)全国信用金庫協会「商店街ルネッサンス・コンテスト」審査委員長
観光庁「観光立国推進戦略会議」ワーキンググループ委員
神奈川県と横浜市が連携したまちづくり委員会「マグカル・テーブル」座長
兵庫県参与
長崎県観光PRアドバイザー
熊本県「企業力《1ランクUP!》プロジェクト」スーパーバイザー
(公財)にいがた産業創造機構アドバイザー
日光市まちづくりアドバイザー
小田原市観光協会総合アドバイザー
藤沢市駅前商店街活性化アドバイザー
都城市PRアドバイザー


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