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製造業

第248号 改善、来年の3大課題とは

柿内幸夫─社長のための現場改善

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 メリークリスマス!! 子供のころからずーっとクリスマスが大好きでした。私は毎日工場間を移動しているので、いろいろな場所のクリスマス飾りを見ることができる12月は毎日ワクワクです。

 写真は東京駅の丸ビルに飾ってある大きなツリーです。大きくても小さくてもすべていいですね。!(^^)! ちなみに明日からはお正月飾りが始まりますが、実はそれも好きです。(^^;)

 さて、これまでチョコ案についてお話を続けて参りましたが、今年最後の「社長ための現場改善」ですのでちょこっとお休みして、今年の振り返りと来年に向けて私が考えていることをお話ししたいと思います。
 
 今年の日本の状況を振り返って厳しさを判定すると、「かなり厳しかった」となるでしょう。リーマンショックを乗り越えて、少し明るい兆しが見え始めたかなと思っていたのですが、新たな問題がいくつも起きて売上が減少してきました。
 
 そして、来年がどうなるのかを予想すると、「変わらずかなり厳しい」と思えます。分野によって多少のバラツキはあるようですが、あまり急激な変化を期待することはできないと感じています。
 
 さて、そういう中で来年モノづくりの改善においてするべきことを3つ考えてみました。
 
 まず一つ目は、スピードアップです。あらゆることに対して、スピードを上げるようにして下さい。その場ですぐやればできてしまうことが、一呼吸おいてしまうことで、実行のタイミングが遅れてしまうことがよくあります。
 
 ただ、読者のほとんどが、これはご自分のことではないと思っておられるかもしれません。しかし私が遅いと断言した職場の方々も、まさか自分が遅いとは思っていなかったのです。
 
 ナゼそうなるかというと、皆さん個人個人の仕事ぶりはテキパキしていて決して遅くないからです。ただ仕事そのもののやり方が悪いので、どんなに頑張って各人が仕事のスピードを上げても、トータルでは話にならないくらい遅いのです。
 
 具体的な事例をあげましょう。O社の営業部員が、「これまでは何枚にも分けていた受注情報用紙を、一枚に集約して報告するようにしたい」という改善案を出してくれました。
 
 私はそれを大変に気に入りました。理由は、載っている情報は少し減っても一覧性が生まれるので、いろいろな判断がし易くなると思ったからです。
 
 そこで「今すぐにできますか?」と聞いたのですが、彼の答えは「まず全部門に意見を聞いてみる」ということでした。
 
 ここに変えるべきポイントがあります。もし意見を聞かれたら、O社の方は全員が真面目な方ばかりだから、たくさんの意見を考え出してくれるでしょう。しかし、いったんそれらの意見を聞いてしまったら無視できないので、また調整をしなければなりません。一体いつになったら実行できるのだろうと考えてしまいます。
 
 ですから、良いと思ったらまずやってしまって、もし問題が出たらそこで調整すればいいのです。とくにO社の場合は社内のことなのですから、たとえ問題が起きても元に戻せば済むことでしょう。あるいは稟議書も、一つ事を決めるのにたくさんのハンコが必要という同じ意味で、見直すべき点の多い仕組みです。会社によっては一つのことを決めるのに必ず10個以上のハンコが必要なところがあります。
 
 10個もあると、全員が他人依存になり、結局誰もその内容をまともに見ていないということが起きかねません。すべての判断がそうであったら、ただ時間がかかるというだけでなく、結局、責任をもって判断する人がおらず人材も育ちません。
 
 しかし、ハンコの欄が10個用意されていたら真面目な人ばかりの会社では、必ずそのプロセスを踏むことになります。どんなに走って用紙を運んでも、即断即決の会社には絶対かないません。このような「これまでの仕事のやり方そのものが問題なのであって個人のスピードでないところ」に改善が必要です。
 
そして二つ目はチョコ案のテーマである「全員参加」です。これまでのチョコ案の話をもう一度読んで、そのレベルを上げてくださるとうれしいです。
 
最後の三つ目は「元気」です。これまでもそうですが、来年もいい姿勢で大きな声で明るく元気に改善を進めましょう。
 
今年一年大変にお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

 

 

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copyright yukichi

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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