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体重や体脂肪率を測るヘルスメーターの世界トップシェアを誇るタニタ。年商150億円と決して小さな会社ではありませんが、ライバルはオムロンやパナソニック。ゾウとアリほどの規模の差があります。小さなタニタはいかにして大きなライバルに勝てたのか。タニタ社長の谷田千里さんに話を聞きました。
現在、タニタはヘルスメーターなどの健康測定器メーカーですが、始めからそうだったわけではありません。同社はトースター、ライター、体重計と多岐にわたる製品ラインで成長してきました。ところが、80年代に入って赤字体質となります。OEM製造していたトースターは価格競争が激しく利益が出ません。100円ライターの普及によりライター市場は縮小しました。
体重計もシェアは低く決して強くはなかったのですが、唯一の黒字部門。数年かけてトースターとライターから撤退し、体重計に集中することにします。ただし、このころ既に体重計は家庭に普及しており、頻繁に買い替える商品ではありません。成熟市場で下位メーカーのタニタが需要を拡大させながらシェアアップするという難事業に取り組めたのは、タニタには武器があったからです。
それは体重計のデジタル化です。アナログだと1kg未満は目分量ですが、デジタルだと100g単位で計測できます。50kgと49.9kgでは雲泥の差があると感じる女性は多いもの。これがダイエット志向の女性に支持され、売上が急増。国内シェアトップに躍り出ます。後に世界で初めて家庭で体脂肪率を計測できるヘルスメーターを開発し、世界トップシェアに到るのです。
小が大に勝とうとするなら、第一に事業領域を集中すること。一点にライバルよりも多くの経営資源を投入します。第二に質的にライバルを上回る武器をもつこと。これをビジネスでは差別化といいます。これにより、小さな範囲かもしれないけれど一番になることは充分に可能なのではないでしょうか。数式で表すなら「集中化×差別化=一番化」。ランチェスター弱者の戦略の本質がここに示されています。
