menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第3回 現地取材でも実証!今、香港の売れ筋!

野田久美子 香港ビジネス成功法

 こんにちは。香港在住海外進出コンサルタント野田久美子です。
 
 新年度を迎え、新人社員も入社され、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。こちら香港は雨期に入り、今年は早々から激しい雷雨が続き、湿度も既に99%を記録しました。
 
 ところで、弊社は海外進出サポート同様にテレビ番組などにおける香港現地ロケのコーディネートも得意としておりますため、取材などで市民や企業の生の声を突撃インタビューする機会も多くあります。
 
 そこで、今回はこれまでのコラムでお話ししていた事例(このたびは食に関し)を更に実証すべく、インタビュー取材からも裏付けした「香港での売れ筋最新情報」をお伝えすることにいたしましょう。
 
 

3.jpg

 

 好きな食べ物・・・日本食が上位を占める!
 
 中華だけではなく、外食産業も国際色に富む香港であるがゆえ、食に関するレポートは欠かせなく、街なかなどで10代から60代の市民に「一番好きな食べ物は何ですか?」と問いかけると、断トツの1位が刺身、寿司!続いて、ラーメン、カレーと、日本食が上位を占め、その他、串焼き(焼き鳥)、鉄板焼き、天ぷらという声が上がります。
 
 では、「何故そのような日本食が好きなのか?」と問い返すと、大きな笑みを浮かべながら「OISHII!」と日本語での返答。更に掘り下げて尋ねていくと、「日本で食べた時に気に入ったから」「ヘルシーだから」という答えもあります。
 
 このヘルシーと答えた人の意味合いは、最も身近な中華と比較すると、日本食材は衛生的で安全且つ多種多様というイメージからであったようで、決して、旅館の朝食メニューを指しているわけではなく、念のため補足といたします。
 

 オムレツに注目度アップ!

 
 寿司やラーメン店では、店頭に連日長蛇の列をなす店も多く、相変わらず大盛況。昨年7月に香港進出を果たした一蘭もいまだに並ぶ繁盛ぶり。一杯89ドル(約1,300円)がベースとなるラーメンにトッピング。席数が四十数席ですので、売上は・・・となり、家賃高騰が著しい香港でも目抜き通りでないため楽勝。
 
 因みに香港人に好まれるスープは断然に“豚骨”で、塩、醬油はまだまだ影が薄い状況。ただ日本食ブームが続く香港ですが、最近、あるモノが注目を浴びています。それは“オムレツ(オムライス)”!これは、香港のカレーハウスCoCo壱番屋のメニューにオムレツカレーがあるのですが、ランチタイムで店内満席のなか見渡せば客の7~8割が注文。
 
 「何故このメニューを選んだのか?」とインタビューすると、「(当たり前ですが)美味しいから」の回答意外に、「これまで香港ではなかったので新鮮(物珍しい)」「ふんわりとした食感が好き」と言い、「気に入って、1~2週間に一度の割合で食べている」という声も。
 
 そう。我々日本人には昔ながらの洋食の定番である即ちオムライス。広東語でオムレツを「奄列(アムレッ)」という言葉はあっても、旅先などホテルでの朝食バイキングとしては認識していたものの、ご飯を包み、カレーをかけるというスタイルは斬新なのです。
 
 この例は、食が溢れてきているとはいえ、また日本ではありふれたモノでも海外では斬新となり、ヒットを生むことができることを実証。わたくしが毎度「香港にはフロムジャパンを生かした商材をヒットさせる隙間がまだまだある」とお話ししていたポイントの一つでした。
 
 
 現地大型スーパーマーケットの売れ筋商品!
 
 香港には、パークンショップ系とウエルカム系の2大ローカルスーパーマーケットがありますが、そこで、全体の売れ筋を調査したところ、これまた日本食材や飲料が大健闘!それらとは、まずは生鮮食品。空輸のため小売価格は高くなりますが、野菜や果物、肉、乳製品、米。それから、冷凍食品、お~いお茶のペットボトルや日本茶のティーパックなどなのです。
 
 そして、スーパーマーケットで買い物をする消費者にもインタビューすると、やはり「美味しさ」と「安全面」が購入の大きな理由。ただ最近では、韓国製もどんどん輸入されており、日本産(製品)より少々価格が安く設定されているため、物によっては購入の際に比較される場合もあり、韓国製と肩を並べる状況にもなっております。
 
 他、売れ筋商品として、ローカル製の昔ながらのレモンティーのパック、缶詰、そして、香港製“出前一丁”が現在も不動の売上を保っています。出前一丁は小売向けと業務向けを日清の香港工場で製造。後者は香港全域の大衆食堂のメニューでもあり、家でも外でも食されており、香港人にとって日常の食習慣に入り込んでいる存在とまでなっております。
 
 中国大陸から香港へ買い物に来た際には箱買いをする人も多く、「ゴマ油の香りがいい」「子供がこれじゃないと食べない」など、定着した根強いファンが多いため、日清香港では工場を増設するとのこと。
 
 先日、HNK BSプレミアムの番組「イッピン」で神戸製の靴が特集され、あるブランドが香港でも人気を博している様子が放送されました。再放送が4月26日(土)午後4時25分~。よろしければ、ぜひご覧ください。
 
 
【お知らせ】
 
香港を足がかりとした海外進出サポートをはじめ、現地視察などのコーディネートを承っております。また香港でテスト販売を試みる『フロム・ジャパン発掘プロジェクト』も実施中!
詳しくはワイルドベリー・インターナショナル香港HPにて⇒ http://wildberry-intl.com/

第2回 香港では、どれだけ日本への関心が高いのか?前のページ

第4回 香港の位置づけ次のページ

関連記事

  1. 第1回 なぜ香港なのか?日本人が進出しやすいその理由

  2. 第9回「香港をステップに次の狙いを考える」

  3. 第6回 「香港も今、変化している!」

最新の経営コラム

  1. #1 一流の〈ビジネス会食力〉-前始末で勝負あり-

  2. 第48回 「未来への投資」は数字の外にある

  3. 第212回 税務調査にひるむな!

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    第三話 まず打って出て、行動しながら修正せよ(ハナマサ)
  2. 社員教育・営業

    第55講 クレーム担当者が疲弊しない成功の極意(1)
  3. 社長業

    Vol.158 企業の緩み「10の兆し」
  4. 経済・株式・資産

    第43回「31年ぶりの貿易赤字に危機感を持とう」
  5. マネジメント

    時代の転換期を先取りする(7) ベトナム終戦(ニクソンの決断)
keyboard_arrow_up