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第15回 「竹斬りの行」

社長の「氣」

 この原稿を書いている現在、日本経営合理化協会主催の「氣の道場」がちょうど終わったところです。
 520畳ある心身統一合氣道会の本部道場(栃木県)にて、1泊2日の合宿が行われました。日本全国から氣に関心を持つ多くの経営者が集まりました。
 「百聞は一見にしかず」、コラムや本で読むのと実際に体験するのでは、想像を遙かに超える違いがあったようです。「自然な姿勢(統一体)」「氣の呼吸法」「心身一如のコミュニケーション」などを体験形式で一人一人に指導しました。参加者のご要望に応えて心身統一合氣道の技も体験頂きました。
 合宿の最後には「竹斬りの行(たけきりのぎょう)」を行いました。
 竹斬りの行とは、水平に吊された竹を木剣で斬る行です。和紙に切れ目を入れて、そこに竹の両端を差し込みます。さらに、その和紙はナイフで支えられます(下記写真)。通常、和紙1枚では竹を支えることが出来ませんので2枚か3枚重ねて支えます。
 今回は竹が肉厚で重かったため、4枚重ねてようやく竹を支えることが出来ました。
 斬る動作に少しでも力みがあると、木剣が竹に触れた瞬間に和紙が破れて、竹は下に落ちてしまいます。竹には木剣が当たった跡だけが残り、斬ることは出来ません。正しくリラックスした状態だと、和紙は破れることなく竹を斬ることが出来ます。
 大事な場面で如何にリラックスするか、良い体験になります。
 特に重要なのは「氣で斬る」ことです。竹の表面が目標とすると、そこで氣が滞ってしまいます。すると木剣は竹の表面で止まり竹は斬れません。木剣を振り下ろす前に、竹を通り超して床(畳)まで氣を通しておくと竹は斬れます。
 目に見えないからと言って、氣を通すことを怠ると斬ることが出来ません。
 つまり、何事を行うにも氣を先に通しておくことが肝要であり、氣が通っているからこそ実行出来ます。恐ろしいのは、目の前の対象に執着した結果、無自覚のうちに氣が滞ってしまうことです。
 「斬りたい」と竹を意識すればするほど、竹にとらわれて斬れなくなります。さりとて、「斬りたい」という氣持ちがなければ斬ることは出来ません。
 要するに「斬りたい」という氣持ちをどのように体現するかであり、「斬りたいから力むのか」「斬りたいから力を抜くのか」、あるいは「斬りたいから氣を滞らせるのか」「斬りたいから氣を通すのか」が重要だということです。
 「斬りたい」という強い氣持ちだけでは不十分、正しく体現するからこそ結果が得られます。
 今回の「氣の道場」では、参加者全員が無事に竹を斬ることが出来ました。いざという時に心が決まる方が多かったのだと思います。「自分に本当に出来るのだろうか」「失敗したらどうしよう」という迷いが生じると斬れなくなります。
 また、先に斬る人が失敗すると、それが伝染して斬れなくなることもあります。「心が身体を動かす」わけですが、心の状態が如実に身体の状態に影響を与えているかを実感出来ます。
 余談となりますが、「氣の道場」に参加して竹の実物を見ると、その太さに驚く方が少なくありません。細竹をイメージしていた様子で、直径が5センチ近い肉厚の竹を見ると、「本当に自分に斬れるのか」不安になるようです。毎回、その不安を乗り越えて本番を迎えます。
 時々、力自慢の方が竹に膝をかけて曲げようとすることがあります。竹は無理な力を加えると、竹の繊維に沿って縦に割れてしまい斬ることは出来ません。力に任せて斬っているのではありませんので、男性が斬れずに女性が斬れることもよくあります。氣で斬ることです。
 先代の藤平光一は「竹を木剣で斬れたからといって人間として偉いわけではない。竹斬りの行を通じて氣の使い方を体得することが目的だ」と説きました。
 今回、氣の重要性を実感した皆さんが日常で活用されることを願っています。
 
竹斬りの行の様子
 
15.jpg
 
 
 
 

 

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