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第319号【急所44】仕事は、教え方まで含めて「仕組み化」せよ(その4)

第319号【急所44】仕事は、教え方まで含めて「仕組み化」せよ(その4)

 今回も私の著書「改善の急所101項」から1項を紹介し、実例を挙げて解説します。  

 【急所44】仕事は、教え方まで含めて「仕組み化」せよ。(108頁)【その4】

 先回、H社で私が生徒役になって、画像と声を入れたタブレット型コンピューターを使った作業指導を受けたことをお伝えしました。誌面では表現し切れないほど分かりやすい効果的な指導でした。
 
 理由は、まず現場で現物を前にしての説明であり現実感が高かったこと。そして、先生が生徒と一緒にタブレット画面に対面し、生徒の表情などを見ながら2回も説明してくれたことと、次に、先生自ら仕事をやって見せて言って聞かせてくれたことでした。
 
 そして、私も自分で理解したり記憶したことを声に出してしゃべりながら作業をしたため、自分の理解力が意外に高いという自信を持てました。
 
 時間にすれば10分もかかっていなかったと思いますが、私は合格点を頂くことができました。もちろんスピードは遅いしぎこちない動きですから、まだまだたくさんの練習が必要です。
 
 しかし、正しい仕事のやり方をきちんと教わったので、私は極めて濃密な訓練を受けたという実感を持ちました。
 
 そしてその後の一か月の中で、意外にも私は何回も人から指導を受けることがありました。これまでだったらそれを指導とは思わないでやり過ごしたかもしれませんが、H社での指導を受けた後で、改めて見てみると、日常生活の中にはたくさんの指導があるのだと気づきました。
 
 ① 移動中の電車で次の電車の乗り換え時間がギリギリでしたので、車内放送を聞いて正しいホームに向かってまっすぐに突っ走ろうと思っていました。待ち望んだ車内放送があったのですが、早口過ぎて何と言っているのか分かりませんでした。運よく間に合ったのですが、慌てました。
 
 ② 出先でどうしてもすぐしなければならないパソコンを使った用事があり、インターネットカフェに入りました。レジの方からどうしますか?と聞かれたとき、普段は使わないのでどういうオプションがあるのかが分からず答えられませんでした。
 その中身を聞いたところ、口頭で一気に話されてしまい、判断できず即答できませんでした。全体が分かるリスト(メニュー)を使って説明してくださればすぐ分かるはずでしたが、使ってくださらなかったので分かるまで時間がかかりました。
 
 ③ A社の朝礼を後ろの方に立って見ていたのですが、エアコンの音がうるさくて、工場長の話はほとんど聞こえませんでした。
 
 
 3つの事例をあげましたが、特に驚くようなことではありませんよね。よくあることばかりです。しかしこんなものだと思ってしまってはいけないなあと思ったのは、H社で素晴らしい指導を受けていたからに違いありません。
 
 これから本当に人手不足が顕著になりそうです。だからこそ正しい仕事のやり方を決めて、それを分かりやすく教えて、最短の時間でマスターしていただく仕組みの構築が急務です。
 
 もしかすると、現場での作業指導は私が経験した①~③のようなレベルで行われている可能性がないでしょうか? 受ける側の立場に立つと、これまでずっとそうであった指導方法も、極めて不十分なことはあったと思います。
 
 ただそれらを教わる人が先生に面と向かって言えないできたとしたら大きな損失です。今回私は初めてそこに気付いたといえます。
 
 皆さんの会社にも、新しく仕事を始める方がきっとこれから増えることでしょう。正規従業員の場合はもちろん、派遣従業員、パート・アルバイト従業員、外国人従業員といろいろな方がみえるでしょう。
 
 その方たちが短期にお仕事をしっかり覚えてくださるためには、今回のウェアラブルカメラで撮ったビデオをタブレットで見るというアドバイスを、ぜひとも実行していただきたいと思っています。
 
 〝仕事は、教え方まで含めて「仕組み化」せよ″の第一歩は、「ここにあり」と言っても過言ではないと思います。
 
 
 
 

 

 

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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経営コラムニスト紹介

柿内幸夫技術士事務代表 柿内幸夫氏

柿内幸夫氏 柿内幸夫技術士事務所 代表

現場改善No.1コンサルタント。
大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。
現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。
中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。

1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。
著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。
柿内幸夫技術士事務所ホームページ http://www.kakiuchikaizen.com/

柿内幸夫技術士事務所代表柿内幸夫氏の経営コラムに関するお問い合わせ