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不動産

第99回 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。

売れる住宅を創る 100の視点

今回も前回と同じフェーズ8「 モノづくり 」の「 こだわり 」です。その第6項目の『 購入者へのメンテナンスへの配慮 』5項目中の最後である『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』に関してのお話を致します。
 
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、その第6項目の『 購入者へのメンテナンスへの配慮 』5項目中の第4項目である『 内覧会で売主側の要注意事項  』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて5項目用意致しました中の第4項目の『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』の御説明を致しました。
 
今回は「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」に於いて工事監理や建築工事内容等の良し悪しに依って、既に購入し住まわれた方々が、事業主( 売主 )の「 モノづくり 」に関して、将来のメンテナンスへの配慮や姿勢を問われていますので、『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』の内容を皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」における商品企画や基本計画等と共に設計者としましての工事監理に於いて、工事竣工時点での大切な細かい「 こだわり 」の御説明であります。
 
「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の住戸の商品計画への「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて事業主( 売主 )が購入者( 入居者 )へ配慮された商品が製造されているか否かが、既に購入された方々のメンテナンスの難易度に依って事業主( 売主 )への大変大きな判断基準になりますので、今回もよく御覧下さい。
 
さて、このコラムで毎回申し上げていますが、この処大手ディベロッパー、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの顕著な傾向は、購入者( 入居者 )へ配慮有る良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力や販売員の体力の強さや物件収支の数字のみに頼って「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等を企画・販売しておりますディベロッパーとの「 2極分化 」がかなり進みまして、それが顕著になっております。
 
現在、販売力や販売員の体力の強さと物件収支の数字のみに頼って分譲している事業主( 売主 )に於いては、かなりの完成在庫住戸を多く抱え、苦戦を強いられています。
その結果売れずに超大手ディベロッパーでさえも、竣工後1~3年以上の「 完成在庫住戸 」がかなり多いのが現状です。
 
ですので、完売させる為及びにも、今回の『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』は参考になり、更に事業主( 売主 )への信頼性の基準になりますので熟読して欲しいと思います。
 
更に、現在の不動産業界は益々、資本主義の原点である「 弱肉強食 」の傾向が強くなり「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」がどんどん進み、その結果、新規に販売する物件が購入者( 入居者 )への配慮が乏しい準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパー等は超大手ディベロッパーに吸収合併させられております。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが、これから将来にわたり、それらの超大手や大手ディベロッパーに対し、独立独歩で対峙し勝負するには、分譲予定物件の商品企画等の「 質 」と「 モノづくり 」に関してはトコトン細かい所まで購入者( 入居者 )への配慮をし、「 こだわり 」や「 誠意 」を持って魅力有る商品を作り、完成させ、入居後もメンテナンスの行い易い物件にさせなければ価格競争の渦に巻き込まれてしまいます。
 
その様に致しませんと、かなりの値引きをさせられまして売却する事に依り、損益を計上し「 倒産 」( 破産では無い )や悪くすると「 破産 」の危機をむかえるのでは…と危惧致しております。
 
その様にならない為には、購入者への細かい配慮( 誠意・こだわり )が感じられる「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」を供給していかなければ生き残れないでしょう。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは「 新規分譲マンション 」の「 設計基準書 」や「 マンション工事基準書 」を独自に製作し、毎年見直をし、良い方向へ変えなければなりません。
 
具体的に申し上げれば、購入予定者が事業主( 売主 )の「 こだわり 」や「 誠意 」等の配慮を敏感に感じとり、購入意欲が湧いてくる物件を分譲する様な会社にしなければなりません。
 
そして入居後も購入者( 入居者 )が満足し、クレームの起きない良い商品を作り続ける事やメンテナンスが容易で、且つ費用のかからない事等で知名度を上げなければならないでしょう。
 
私の経験では、例え万が一、クレームが生じましても、購入者( 入居者 )への対応を迅速に誠実に行えば「 雨降って地固まる 」で誠意や信頼度の回復が可能なのです。
 
ちなみに、メンテナンスの難易度もクレーム対象になるのです。
 
事業主( 売主 )の誠意と信頼が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依り、潜在顧客の信頼度も高まりますので「 価格 」や「 ブランド 」での販売競争にならずに済むのです。
 
その結果、不動産業界や一般社会に於いても良い評判や良い評価や評判を得る事ができ、生き残れる道だと実感しております。
 
これらの事を継続されていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に対抗できます。
 
その様に事業を続けていけば、準大手ディベや中堅ディベが、超大手、大手ディベロッパーに対峙し対等に勝負できる個性の有る事業主( 売主 )になると私は確信しております。
 
そして、今回御説明致します顧客への細かい配慮である竣工・入居後に行いますメンテナンス作業に於いて重要な『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』の項目を良く御覧戴いて「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」の設計内容、工事監理や工事内容等に反映されれば、魅力的で同業他社物件と差別化された良い商品になるのでは…と思い御説明致します。
 
この様な細かい配慮の有る「 設計基準書 」を作成して、それを遵守した商品を長期間供給し続けていけば、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーも不動産業界だけでなく、一般の社会に於いても会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与すると確信致しております。
 
ですので、今回の私のコラム99号『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』を参考にされて入居後にも細かい「 配慮 」や「 こだわり 」の有る「 モノづくり 」を継続する事は、不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様、又はそれ以上に世間は評価すると思います。
 
それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして特に準大手や中堅の売主及び事業主には、このコラムでは毎回申し上げていますが「 誠実に勝る近道無し 」を心がけて戴きたいものです。
 
もはや現在、日本全国で約1200万戸以上、首都圏( 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 )だけでも約600万戸弱以上もの空き家が有る不動産業界で、準大手や中堅ディベロッパーが超大手や大手ディベロッパーに勝てるのは供給戸数の数よりも商品企画や工事内容等で顧客への配慮が有る「 質 」「 誠意 」や「 こだわり 」だけだと私は確信しております。
 
その様な「 良質 」の商品を世に出す為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第6項目の『購入者へのメンテナンスへの配慮 』5項目中の最後であります今回のコラム『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』の内容を事業主( 売主 )や設計者が取り入れて戴ければ、購入者( 入居者 )への細かい配慮の判断基準となると信じております。
 
今回の内容は、特に潜在顧客の売主評価への判断に多いにつながる大切な事です。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の設計業務、工事監理業務や設計監修業務の経験に基づいた「 経験工学 」で有りまして、大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々は、特に今回のコラム99号『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』の内容を良く理解し「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の建築工事内容に十分取り入れて下さい。
 
そして更に、これも毎回何度も申し上げていますが、「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」の計画時点で実行して戴きたい事が有ります。
 
それは、私が今までの設計業務、工事監理業務や設計監修業務の経験を踏まえて申し上げたい事で、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、絶対に『 製造・販売・管理一体 』の体制で商品企画を行う事です。
 
「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の商品企画会議では製造部門、販売部門と管理部門が一体になって戴きたい事です。
 
その理由は販売部門や管理部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければ商品説明の内容等に反映できるからなのです。
 
更に、「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」に於ける入居後のメンテナンスへの難易度の高さの内容も『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』を販売部隊の方々が良く理解し、具体的に顧客に対して自信を持って同業他社の物件との差別化を「 セールストーク 」できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。
 
今回は分譲物件の内覧会や入居後等に於いて、重要な配慮であります『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』をこれから具体的に御説明致します。
 
今回も警告を発しますのが、横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が有りませんとメンテナンスが困難な事です。
 
その理由は、住戸内( 専有部分 )には上下階に通っています竪排水管が2箇所~3箇所設置しております。
 
2箇所設置の場合はトイレ用の汚水竪排水管と、キッチン、浴室( ユニットバス )、洗面室や洗濯機用の雑排水竪排水管です。
 
3箇所設置の場合はトイレ用の汚水竪排水管、キッチン用雑排水竪排水管と、浴室( ユニットバス )、洗面室や洗濯機用の雑排水竪排水管です。
 
私の独断で申し上げれば、当然竪排水管は3箇所に設置した方が、竪排水管にコレステロール状の排水ゴミが付着しにくくなり良いのです。
 
特に雑排水竪排水管に排水するものは、キッチンの排水ゴミと浴室( ユニットバス )、洗面室や洗濯機の排水ゴミは分けた方が、将来に於いて詰まりにくくなるからです。
 
最近の新規分譲マンションでは、キッチンのゴミはディスポーザーで砕いて水と一緒に排水いたしますので、特にキッチン専用の雑排水竪排水管は必要なのです。
 
浴室( ユニットバス )、洗面室や洗濯機の排水ゴミは毛髪が多いので、別の雑排水竪排水管が必要なのです。
 
さて、ここで何故これらの住戸内に設置された竪排水管の設置個所に「 点検口 」が必要かを、御説明致します。
 
まず「 点検口 」には2種類有ります。
 
最初の1種類目の「 点検口 」は、上下階に通っています、竪排水管には遮音シートが巻かれて、その周囲をプラスターボード( PB )で壁の様に囲っており、この竪排水管の周囲にPB壁に設置されています壁「 点検口 」です。
 
次に2種類目の「 点検口 」は、キッチンセットの床板及びその床板下の台所床板に設置された横引き排水管、洗面化粧台の床板及びその床板下の洗面室床板に設置された横引き排水管、浴室用の横引き排水管や洗面化粧台用の横引き排水管と洗濯機置き場用の横引き排水管を接続しています、洗面室の床に設置された床「 点検口 」です。
 
住戸内には、壁に設置された壁「 点検口 」と、床に設置された床「 点検口 」2種類の「 点検口 」が必要不可欠なのです。
 
まず、壁に設置された「 点検口 」の必要性を御説明致します。
 
壁に設置された「 点検口 」は上下階に通っている竪排水管と、トイレ、キッチン、浴室、洗面化粧台や洗濯機置き場からの横引き排水管を接続されている場所の近くに有ります。
 
この竪排水管と横引き排水管の接続が、大きな地震等で緩んだ場合に水漏れを起こします。
 
また、マンションの竪排水管に於いては、年月が経過致しますと、下階住戸に上階住戸の排水ゴミが詰まって、竪排水管が機能しなくなり、排水ゴミが道路の下水道まで通らなくなります。
 
これらの場合には、メンテナンス要員の人が壁の「 点検口 」を空けて、状況確認や修繕を行う時に、この壁「 点検口 」は必要なのです。
 
次に、床に設置された「 点検口 」の御説明を致します。
 
床「 点検口 」は先程御説明しました様に、トイレ、キッチン、浴室、洗面化粧台や洗濯機置き場の各々の細い竪排水管( 直径50~75ミリ )と横引き排水管が接続されている近くに設置されています。
 
この床「 点検口 」は、これらのトイレ、キッチン、浴室、洗面化粧台や洗濯機置き場の各々の細い竪排水管( 直径50~75ミリ )や横引き排水管が詰まった時にメンテナンスをし易くする為のものです。
 
ですので、この2種類の「 点検口 」は住戸内の横引き排水管や竪排水管にとっては必要不可欠なのです。
 
この様に、購入者( 入居者 )が購入検討時には気が付かずに、入居後に気付いて困る場所に気遣いをする事業主( 売主 )は一流です。
 
今回も特に購入者( 入居者 )が既に購入された「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」のメンテナンスを行う際の難易度が事業主( 売主 )サイドにとっては重要な顧客への配慮の事なのです。
 
この上記の内容は「 新規分譲マンション 」の企画・基本計画等、工事チェックやメンテナンスを行う上では、とても重要で大切な事柄ですので、是非参考にして戴きたいと存じます。
 
私は、常に超大手や大手ディベロッパーは一流とは限らないと私は言っております。
 
私の建築的価値観での独断で申し上げれば、一流と評価できますディベロッパーはほんの数社しか有りません。ほとんどが三流ディベロッパーなのです。
 
一流のディベロッパーは常に購入者( 入居者 )への細かい配慮が行き届いた質の良い「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等を供給しています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは事業主( 売主 )の信用と顧客に対するきめ細かい配慮や物件の質の良さです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」に対抗し勝つ為には分譲物件の質の良さ、顧客への気遣いや細かい配慮及び将来クレームが生じない「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」を作り続ける事なのです。
 
ですので、毎回何度も注意を促しておりますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度信用を築くには最低10年以上はかかります。
 
この事を、よく肝に銘じて下さい。
 
次回、第100回は最終回です。
 
最終回はフェーズ8の「 モノづくり 」第7項目の『 クレームへの対応は、早い対応が会社の信用につながる 』の『 クレームは「ボヤ」の内に対応しないと「大火事」になる。 』に関してのお話を致します。
 
 
以上
 
 
 
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