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不動産

第91回 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満

売れる住宅を創る 100の視点

今回も前回と同じフェーズ8「 モノづくり 」の「 こだわり 」です。その第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の最後の第25項目である『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 』に関してのお話を致します。
 
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、住まいの『 ハード面の重視 』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて25項目用意致しました中の、第24項目『 押入れの中段棚の奥にスリットは必要。 』の御説明を致しました。
 
今回は「 分譲マンション 」に於いて商品企画等の良し悪しに依って購入予定者から売主及び事業主の「 モノづくり 」に対する配慮や姿勢が問われていますので「 ペット可 」の「 分譲マンション 」の商品計画や基本設計時点に『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』の理由を皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」における商品企画や基本計画等で大切な細かい「 こだわり 」の御説明であります。
 
「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の住戸の商品計画への「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて事業主( 売主 )が購入者( 入居者 )へ配慮された商品が製造・販売しているか否かが、購入予定者にとって大変大きな購入判断基準になりますので今回もよく御覧下さい。
 
さて、このコラムで毎回申し上げていますが、この処大手ディベロッパー、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの顕著な傾向は、購入者( 入居者 )へ配慮有る良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力の強さや数字のみに頼って「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等を企画・販売しておりますディベロッパーとの「 2極分化 」がかなり進みそれが顕著になってきております。
 
現在、販売力の強さと数字のみに頼って分譲している事業主( 売主 )に於いては、かなり多くの完成在庫住戸を抱え苦戦を強いられています。
 
その結果売れずに大手ディベロッパーでさえも、竣工後1~3年以上の「 完成在庫住戸 」が多いのが現状です。
 
更に、現在の不動産業界は益々、資本主義の原点である「 弱肉強食 」の傾向が強くなり「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」がどんどん進み、その結果、販売する物件に購入者( 入居者 )への配慮が乏しい準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパー等が超大手ディベロッパーに吸収合併させられております。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが、これら将来にわたり、それらの超大手や大手の会社に対し、独立独歩で対峙し勝負するには、分譲予定物件の商品企画等の「 質 」と「 モノづくり 」はトコトン細かい所まで購入者への配慮をし、「 こだわり 」や「 誠意 」を持って魅力有る商品を作らなければ価格競争の渦に巻き込まれてしまいます。
 
そして、損益を計上し「 倒産 」( 破産では無い )の危機をむかえるのでは…と危惧致しております。
 
そうならない為には、購入者への細かい配慮( 誠意・こだわり )が感じられる「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」を供給していかなければ生き残れないでしょう。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」の「 設計基準書 」を独自に製作し、毎年見直して良い方向へ変えなければなりません。
 
具体的に申し上げれば、購入予定者が事業主( 売主 )の「 こだわり 」や「 誠意 」等の配慮を敏感に感じとり、購入意欲が湧いてくる物件を分譲する様な会社にしなければなりません。
 
そして入居後も購入者( 入居者 )が満足し、クレームの起きない良い商品を作り続ける事で知名度を上げなければならないでしょう。
 
私の経験では、例え万が一、クレームが生じましても、購入者への対応を迅速に誠実に行えば「 雨降って地固まる 」で誠意や信頼度の回復が可能なのです。
 
事業主( 売主 )の誠意と信頼が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依り潜在顧客の信頼度も高まりますので、価格や「 ブランド 」での販売競争にならずに済むのです。
 
その結果、不動産業界や一般社会に於いても良い評判を立てる事ができますので、生き残れる道だと実感しております。
 
これらの事を継続されていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に対抗できます。
 
その様に事業を続けていけば、準大手ディベや中堅ディベが、超大手、大手ディベに対峙し対等に勝負できる個性の有る会社になると私は確信しております。
 
そして、今回御説明致します顧客への細かい配慮である「 ペット可 」の「 分譲マンション 」の商品計画や基本設計時点に対応致します『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』を御覧戴いて「 新規分譲マンション 」の商品に反映されれば、魅力的で同業他社物件と差別化された良い商品になるのでは…と思い御説明致します。
 
この様な細かい配慮の有る商品を長期間供給し続けていけば、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーも不動産業界だけでなく、一般の社会に於いて会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与すると確信致しております。
 
ですので、今回の私のコラム91号『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』を参考にされて細かい配慮の有る「 モノづくり 」を継続する事が、不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様、又はそれ以上に世間は評価すると思います。
 
それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして特に準大手や中堅の売主及び事業主には、このコラムでは毎回申し上げていますが「 誠実に勝る近道無し 」を心がけて戴きたいものです。
 
もはや現在、日本全国で約900万戸以上、首都圏( 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 )だけでも約300万戸弱以上もの空き家が有る不動産業界で、準大手や中堅ディベロッパーが超大手や大手ディベロッパーに勝てるのは供給戸数の数よりも商品企画等で顧客への配慮が有る「 質 」や「 こだわり 」だけだと確信しております。
 
その様な「 良質 」の商品を世に出す為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の最後の第25項目であります今回のコラム『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』の内容は「 ペット可 」の「 分譲マンション 」の商品企画・基本計画及び実施設計段階で取り入れて戴ければ、購入者( 入居者 )への細かい配慮の判断基準となると信じております。
 
今回の内容は、潜在顧客の売主評価の判断に多いにつながる大切な事です。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の設計業務、工事監理業務や設計監修の経験に基づいた「 経験工学 」で大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々はこれから進める「 ペット可 」の「 新規分譲マンション 」の商品企画・基本計画や実施設計時点に於いて、特に今回のコラム91号『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』の内容を良く理解し「 新規分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等の設計内容に取り入れて下さい。
 
特に、今回のコラム内容は「 ペット可 」の「 分譲マンション 」を購入された入居者への細かい配慮等につながる事ですので、購入の決定を左右する貴重なお話しです。
 
そして更に、これも毎回何度も申し上げていますが、「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」の計画時点で実行して戴きたい事が有ります。
 
それは、私が今までの設計業務や設計監修業務の経験を踏まえて申し上げたい事で、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、絶対に『 製造・販売一体 』の体制で商品企画を行う事です。
 
「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の商品企画会議では製造部門と販売部門が一体になって戴きたい事です。
 
その理由は販売部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければ商品説明の内容等に反映できるからなのです。
 
更に、今回の「 ペット可 」の「 分譲マンション 」に於ける『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』の良さが具体的に販売部隊の方々も良く理解できて、顧客に対して自信を持って同業他社の物件への差別化を「 セールストーク 」できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。
 
今回は分譲物件に於いて商品企画や基本計画等で重要な配慮であります『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』をこれから具体的に御説明致します。
 
今回は特に「 ペット可 」の「 新規分譲マンション 」を計画する際の重要な配慮の事です。
 
最近の「 新規分譲マンション」に於いて「 ペット可 」の販売物件が大多数を占める様になりました。
 
ですので、今回は「 ペット可 」の商品企画、基本設計や実施設計の注意点を詳しくお話致します。
 
ペットと言えば大抵は「 犬 」か「 猫 」です。
 
この「 犬 」や「 猫 」が好きな人は問題ないですが、世の中には結構 「 犬 」や「 猫 」が嫌いな人がいますので設計時点で、ペット嫌いな人への配慮が必要です。
 
まず、エレベーターです。ペットが嫌いな人はあの狭いエレベーターにペットと一緒に乗るのは嫌なのです。
 
ですから、「 ペット可 」のマンションのエレベーター内の操作パネルには「 ペット同乗 」のボタンの設置が必要です。
 
ペットと一緒にエレベーターに乗って「 ペット同乗 」のボタンを押すと各階( 全階 )のエレベーターホールの操作パネルに「 ペット同乗 」のランプが点灯します。
 
ペットが嫌いな人はその「 ペット同乗 」ランプの点灯を見て、他のエレベーターに乗るか1台しかエレベーターがない場合は乗り過ごします。
 
「 ペット可 」のマンションではエレベーターや1階のエントランス付近に「 ペット用足洗い場 」までも気を遣って設計しなければなりません。
 
さて、今回の本題であります『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』の御説明に入ります。
 
過日に「 ペット可 」のマンションの「 内覧会同行 」チェックで住戸のバルコニーに有る隣戸間の隔て板の下端の隙間寸法を測りましたらバルコニーの床から10センチも上がっていました。
 
10センチの隙間ですと「 小さな子犬や子猫 」は簡単にくぐり抜けて、隣戸のバルコニーへ侵入致します。
 
更に問題であったのは、バルコニーの外部方向先端に有る雨水排水用の側溝( 排水溝 )の底が、バルコニー床の高さよりも更に下がって隙間が大きいのです。
 
側溝の深さは水勾配が付きますので約3~5センチ位です。
 
先程の隣戸との隔て板の下端の隙間の寸法が側溝の底の所で計測致しましたら、更に大きくなり約14センチ位有りました。
 
これでは「 ペット可 」の「 分譲マンション 」とは言えません。
 
私は当然、事業主( 売主 )の方に「 隣戸との隔て板の下端の隙間寸法は全て5センチ以内に改修すべきではないですか…」と申し上げました。
 
また、側溝の箇所は隙間が大きいので、隣戸間の隔て板の下端に高さ3センチ位の「 餅焼き網 」の様な金物を設置して下さいと進言致しました。
 
その「 ペット可 」の「 分譲マンション 」の事業主( 売主 )は誠実なディベロッパーでしたので、私の指摘を認めて是正工事をしてくれました。
 
「 ペット可 」を「 セールストーク 」で売る「 分譲マンション 」の事業主( 売主 )は上記の配慮が非常に大切なのです。
 
「 ペット可 」の「 分譲マンション 」の実施設計時点では、バルコニーの隣戸間の隔て板の下端の隙間寸法に注意して下さい。
 
今回、コラム第91号では『 バルコニーの隣戸間、隔て板下端の隙間は5センチ未満 。 』の御説明を致しました。
 
この上記2点の内容は「 新規分譲マンション 」の企画や基本計画等を行う上では、些細な事ですが、とても重要で大切な事柄ですので、是非参考にして戴きたいと存じます。
 
私は、常に超大手や大手ディベロッパーは一流とは限らないと私は言っております。
 
私の建築的価値観での独断で申し上げれば、一流と評価できますディベロッパーはほんの数社しか有りません。ほとんどが三流ディベロッパーなのです。
 
一流のディベロッパーは常に購入者( 入居者 )への細かい配慮が行き届いた質の良い「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等を供給しています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは事業主( 売主 )の信用と顧客に対する細かい配慮や物件の商品企画の質の良さです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」に対抗し勝つ為には分譲物件の質の良さ、顧客への気遣いや細かい配慮及び将来クレームが生じない「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」を作り続ける事なのです。
 
ですので、毎回何度も注意を促しておりますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度信用を築くには最低10年以上はかかります。この事もよく肝に銘じて下さい。
 
次回、第92号はフェーズ8の「 モノづくり 」第5項目の『 内覧会で売主側の要注意事項 』4項目中の第1項目である『 メーターボックス内の清掃が大切。 』に関してのお話を致します。
 
 
次回の内容も期待して戴ければ幸いと存じます。
 
 
 
 
 
 
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