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社長の価値を高める 「Theプレジデンシャル・イメージ A to Z」 ~トップのイメージが企業価値を創造する!~ A・・・挨拶

最高の自分を表現する 成功イメージ戦略

さて、今回前回プロローグで始まりました「The プレジデンシャル・イメージ A to Z」。今回から本文に入って参ります。

その第一回目で"A"から始まる社長のイメージを決定し、価値を左右するのは?それは「Aisasu: 挨拶」。そう出会いは全て挨拶から。「礼に始まり礼に終わる」といわれるように、最もシンプルでいて、だからこその人の軸と枠が最も明らかになる行動。そして、それはどのような立場になろうと変わることの無い、コミュニケーションにおける最重要事項であり、その人の第一印象を決定付けるもの。社長という立場を担う方であれば、企業イメージ、企業価値にも大きな影響を与えるものであると言えるでしょう。


そのように重要な挨拶、初対面であれば、まず挨拶無しで新たな関係が始まることはありません。そして繰り返し会っている誰かとの再会だとしても必ず挨拶で始まります。さらには、企業の代表であればパブリック(公)な場に登場することもあれば、会社の代表として誰かと面会することも多くある。その際に、その場への登場の仕方や挨拶の仕方如何で、相手・聴衆の気持を掴めるかどうか運命は分かれ、本題の内容の如何を問わず、話がうまく進むか否かが決定してしまいます。そう、その人が初めに行う行動である挨拶が、その人の全てを語り、その後の全てに大きな影響を及ぼすのです。


この「挨拶」、相手に対しての礼儀・誠意を表わし、ご自身の在り方をも示す、最もシンプルで重要な行為。
その際に重要なポイント=相手が良く見ているポイントとは?
1. 相手をまっすぐ見る視線/目線
2.すっと伸びた背筋/姿勢
3.ゆったりしながらもキビキビした動きとしぐさ
4.力強い握手(欧米の場合は特に)
5.余裕のある清々しい笑顔


これらのポイントは、どれも欠かすことができませんし、どれが欠けてもその存在に期待されるイメージには足りない物になってしまう。これらが全て揃って、企業のトップである自信と責任そして自覚をもった存在であることを、相手が自然と受け取り納得するのですから、挨拶とは言葉(言語)ではなく、内面が外見(動き)に現われる行動であり、視覚的に与える印象として偉大な力を持つと言えるでしょう。だからこそ、「少しくらい大丈夫」などと疎かにしたら取り返しのつかないことになってしまうのです。


このように重要な挨拶。コンサルティングやトレーニングで企業に伺い、トレーニングを受けられるトップの方ご本人に御目にかかると、最初に交わすのが当然ながら挨拶。この初対面の挨拶を交わした時点で、大抵の場合どれくらいの結果を出すことのできる方かがわかってしまいます。どこか照れくささはありながらも、清々しい笑顔でこちらをまっすぐご覧になり挨拶をして下さる方は、必ずやご自身の定められたトップとしてのアピアランスとイメージを身につけ、ご本人が想像していらっしゃる以上の結果を出される。きっとご自身の外見や動作など、細かく分析されアドバイスされるなど初めての体験であり、男性であれば特に慣れない気恥ずかしいことだと思うのです。しかし、それも仕事の一部、ご自身の任務として納得され、苦手であろうことにも真正面から向かわれる潔い姿勢にこそ、その立場を担う方の自信と責任感が溢れて見えるものです。


しかし、挨拶をする場面も様々。例えばご自身の会社内、それも人数を限って面会する場であれば、そこはご自分のホームグラウンド、ご自身のペースを守ることができ、比較的余裕を持って対応ができるでしょう。上記のように、いつものご自身の在り方それだけで十分な挨拶となるでしょう。一方、日常的ではない大きな会場、聴衆も沢山、メディアが耳をそばだてて聞いているといった場面ともなると、いつもなら普通に出来ていることでも、いつもの様にはできなくなってしまうのが人間、挨拶も然り。その上、いつも通りの挨拶では、物足りなくなってしまうのがこのような場。非日常に対応するには、それ用に行う事前の準備と練習、それを自らの物にする意識が求められます。


いつもならできる挨拶、それが不十分に見えてしまうケースはクライアントの過去の会見データを映像で拝見する際、会見の模擬トレーニングをする際などに、非常に多く見受けられます。普段通りに行えればまだよいものの、途端にぎこちない挨拶になってしまう方の少なくないこと。1対多数、そして広い場所、全身をくまなく見られているプレゼンテーションや会見では、頭の先からつま先まで全ての動きが確認されてしまいます。しかし、大抵の方が会場に入ってくる姿が猫背でそそくさとした様子。顔はこわばっており、立ち姿もぎこちない。挨拶の頭の下げ方が中途半端で、一礼して下げた頭を上げ終わらにうちに次の行動に移る(椅子に座ってしまう等)。全ての動きが流れてしまっており、一つ一つのポーズが完結していない、故に締りが無く見えますし、落ち着きが無く、自信の無い弱いイメージとして見る人の目には映るでしょう。これを、一企業の社長としてのビジネスに対する姿勢だと受け取られてしまったら、大変です。


改善のポイントは?まず深呼吸。息を整えることで、行動が小さくチマチマすることを避けられます。会場に入ってくるときは気持ち歩幅を大きめに颯爽と歩く。定位置に来たら姿勢を正して立つ。目線はまっすぐ、聴衆を見てから一礼。顔をきちんと上げ、礼から戻る。そして着席。行動は流さず、一つ一つの動きをきちんと区切って行う。これだけで堂々と余裕のある大きな存在として写るのです。

そして、挨拶は最初だけではありません。最後に行う挨拶で、物事の完成度が決定します。つい、「終わった・・・」と安心してしまう為か、最後の礼が中途半端になってしまう社長がこれまた少なくないのです。礼をして頭を下げ、上げないうちに手元の資料などをまとめてそそくさと退散してしまう。何事も最後の最後まで手も気も抜かず、それは挨拶も同じ。席から立ち上がったら。姿勢を整えて一礼。頭をしっかり上げきって聴衆を一度見たら退場です。「終わりよければ全てよし」と言うように、何事も締めくくりが重要。挨拶、物事の初めと終わりを司る、その方自信の意識が表れやすい行動。当たり前だからこそ、常に意識したい、立場のある人であればこそ尚更ご自身を振り返っていただきたい、それが挨拶。

当たり前こそが最も難しい。

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