menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

ブランド

イメージ戦略の一般論と罠 その6「笑顔と歯の罠」

最高の自分を表現する 成功イメージ戦略

顔周りには、いくら上げても限りないほど、相手に与えるイメージを大きく左右するポイントがあります。
人が相手の印象を刻む際の、バストアップと全体像の比率は、何と7対3。
それも、顔周りが一番相手にとって印象的であることは今更言う必要もないほどです。
前回「笑い」、前々回「表情」と顔の表わすことについて述べてきましたが、
今回はその表情と笑いを合わせた「笑顔と歯」の罠についてです。


「笑顔から白い歯がこぼれている」などと表現されるように、欧米人のオフィシャルポートレートに見るそれは、
見事です。
ビッグスマイル&白くきれいに並んだ歯、そしてその自分の最高のスマイルのスタイルを知り、
身につけ実践することは、エグゼクティブとしての嗜みでもある訳ですから。
印象の良い素敵なスマイルとそこから見えるきれいな歯はビジネスに於いて必須の清潔さと知性、
教養を表すシンボル。それを自分の物にするには、まず「自然な良い笑顔を訓練し、顔に覚えさせる」
「歯の白さも、毎日のケア、時にはプロの手を借りてホワイトニング等もしつつ気をつけてみる」
さらには「歯並びというのも、一つ考えてみるべき」という提案となります。
では、これができていれば“完璧なスマイル”なのかと言うと・・・残念ながら違うのです。
それが今回のテーマとした「笑顔と歯の罠」。


数年前のことです。とてもスマートでエレガントな米国人紳士にお目にかかりました。
パーティー会場で近い距離で歓談していた時にはジェントルで品の良い、素敵な方だなという印象。
しかし、その後拝見した際に、非常に愕然としてしまったのでした。
それは彼の口元が何ともエレガントに見えなかったからなのです。
表情豊かに講演を進めていらっしゃるそのご様子は非常に慣れたもの。
プロフェッショナルであることもそのいでたちやお話の仕方を聞いていればすぐに分かります。
しかし、だからこそその口元がショックであり、他の素晴らしさを全て打ち消してしまっていると言っても
過言ではないほどだったのです。


その口元に見たNGとは、下の歯が頻繁に見えること。いい笑顔とは、白い歯がこぼれていることとは言いましたが、
それは上側の前歯が適度に見えている状態。
それも、厳密にいえば上の8本位、それも、その歯茎はあまり見えていない状態とでも言っておきましょうか。
(歯茎が過剰に見えるスマイルは、「ガミー・スマイル」と言い、これも好まれないスマイル。またこれは別の時に)


下の歯が見えてしまうと、表情が滑らかではなくなり、エレガントさを欠き、クラスの低いイメージを相手に与えるのです。
そして、更にはそれを目にした相手に「見てはいけないものを見てしまった」申し訳ないような気分にさえさせる力を
持っていることを実感しました。本来見えるべきでない物(例えば下着であったり)を見てしまった時と
同じ心境になるのでしょう。


分析してみると、歯という物は本来口の中に収まっている物。
食べ物、食べるという人間の生理行動に近い部分と大いに関連しており、これらを目にすることで、
多くの人は無意識のうちに卑猥な印象を抱いたり、連想してしまいのでしょう。
さらに、下の歯が見えるということは、顎が出た表情をしている時、そして口角の下がった表情で話をしている時、
エラに力を入れすぎた力んだ話し方をしている時に多くみられ、この両方の話し方・表情ともが根本的に
ネガティブな印象を与えていることも明白です。
ネガティブな形状・動きからは、ネガティブな結果が更に生まれる。
まさにネガティブの連鎖がここにもあるのです。


では、これを防ぎ、直す為には?
一番身近でてっとり早い方法としてあげられるのは、お箸のような細い棒を口の端から端に渡すようにくわえて
表情を確認するという古典的な方法。
これで練習することを勧めるわけではありませんが、これで自覚できることがあります。
くわえて正しい表情をしながら暫くいると、どれだけ疲れるかにより、普通の状態で、また日常的にどれだけ口角が
下がっており、人前で緊張しながら話す際に下の歯が見えているかがご自身で分かるでしょう。
何よりもお勧めなのは、ご自身がスピーチをされている時の様子をムービーで撮影しておき、確認すること。
そして、どのような時(心境や状況)にその現象が現れるのかを知ることです。
それが分った上で、下の歯を見せずに話す為には、まず、顎を引いて話す。
口角が下がらないように日常的に意識し、顔の筋肉に記憶させる。
そして、どんなに真剣なテーマを話しているとしても、必要以上に力んで話さない。これらがポイントです。


どれだけ話の内容が素晴らしくとも、アピアランスによっては話を聞いてもらえる確率は減少します。
それだけか、ネガティブな表情をしてしまうことで、相手に無意識の不快感を与えてしまえば、
聞いてもらえないどころか全てはマイナスとなってしまいます。
イメージをマネジメントするときに必要なこと。それは、プラスのイメージをどれだけ表現するか?
そして、マイナスのイメージをどれだけ排除できるか?
プラスがどれだけあっても、決定的ダメージを与えるマイナスが一つであもれば、全てが否定されてしまうことをお
忘れなく。どんなに白い歯でも、下側は決して見せないことを、どうぞお忘れなく。

イメージ戦略の一般論と罠 その5「笑いの罠」前のページ

イメージ戦略の一般論と罠 その7「情報発信の勘違い」次のページ

関連記事

  1. vol. 9 プロトコル/ダイニング・エチケット 〜食後のナプキン扱いで本性が見える?!〜

  2. エグゼクティブの為の 「2006年を華やかに締めくくる・イメージマネージメント心得」

  3. ビジネストリップとクロルカルチャーコミュニケーション

最新の経営コラム

  1. 第178話 モノ、カネ、ヒトの「中国離れ」をどう食い止めるか?

  2. 第40回 昇格昇進と昇給運用の関係

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年3月27日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. キーワード

    第175回 東急プラザ銀座
  2. 教養

    2015年2月号
  3. 戦略・戦術

    第110話 私は声高に売上!売上!とは申しません
  4. 人事・労務

    第3話「景気の急降下局面でやってはいけないこと 」
  5. 税務・会計

    第14回 コロナ不況時に「社長がやるべき3つのこと」 
keyboard_arrow_up