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戦略・戦術

第6回 「香港も今、変化している!」

野田久美子 香港ビジネス成功法

 こんにちは。香港在住海外進出コンサルタント野田久美子です。
 
 また暫くコラム更新が滞っておりましたが、おかげさまで’06年に香港で設立した弊社ワイルドベリー・インターナショナル香港が10年目に入り、何かとせわしい日々というのはかこつけか、正直申し上げますと、もう一つ執筆しづらく感じていた理由があったからです。
 
 それは、昨年日本の報道でも、また前回のわたくしのコラムでも話題とした「雨傘革命」と呼ばれ、香港における歴史的一コマとなった民主化デモ騒動が起きる前(昨年夏)あたりから、直接デモ騒動とは関係がなくとも“香港”が変わっていくのをひしひしと感じ、様子を眺めていたというのも事実です。
 
 
香港はあくまでアジアへの足掛かりが効果的
 
 まず昨年の民主化デモ騒動についてですが、元イギリス領で生まれ育った香港人の反中はここ数年で始まったことではなく、昨年のデモは異例な長期戦となったため何かと問題になりましたが、今や遠い過去の話。レストランなどで他人の会話に耳を澄ませてもやはり「お金」の話ばかり・・・
 
 もちろん、今後も中央政府が香港市民の生活に影響をもたらす動きがある際には、これまで同様にデモは起こり、現地在住日本人でも家族(子供)とともに香港定住となる場合は将来への懸念が去らないでしょうが、それは公約された一国二制度に2047年という期限があるからです。
 
 しかし、このコラムをご覧の方々へ言うならば・・・
 
 ●今、仮に香港(また海外)進出を考えておられるとして、2047年後に向けた商売を考えますか?
 
 ●「香港ドリーム」は死語。香港ドリームがあったとしても、それは短期間に過ぎないのが現状。そう。日本からの海外進出を考える場合、日本企業に有利な条件となる香港を足掛かりにすることを薦めておりますが、勘違いいただきたくないのは、最終目標は香港としてはいけないということです。
 
 
香港人は裕福になってきた
 
 家賃相場以外にも、とにかく全般的に物価が上がっており生活水準が高くなっています。大衆食堂でもここ一年ちょっとで5割以上の値上げ。これは人民元も跳ね上がった中国にもいえることと同時に日本人からは円安の影響も左右される現今。
【注意】但し中国大陸からの観光客はマカオともども減少しているため、ここではあくまで香港人(市場)を対象にお話ししております。
 
 ●香港人がますます裕福になってきた。
 (当然に貧困者はいるものの)これは主に住宅など不動産を所有する者(家庭)は、価格が上がっているため日常生活、趣味への消費に対する財布の紐が緩くなってきているのも一つ。
 
 ●海外旅行をする傾向が更に高くなっている。
 特にこの3月下旬から4月前半は香港の5連休と桜の時期、且つ円安とあり、訪日観光客が押し寄せた。その旅費は3~5倍もかけている。
 
 それは都心ではなく、地方への人気が高まりっており、日本政府観光局でお話を伺ったところ、香港人の人気旅先は和歌山県が第1位。訪日観光客数では、1位台湾。2位タイ。3位香港だといいます。
 
 
訪日観光客に目を向けるのも一つ!
 
 このような状況から、訪日観光客については例年を上回っていく予想もされるため、海外進出もさることですが、家電量販店や中古ブランドショップのように訪日観光客をターゲットとした戦略は今後も効果的だといえます。
 
 となれば、舞台は海を隔てることがない貴社の環境内となり、その点では挑戦がしやすくなるでしょう。そして、次にくるのが「しかし、じゃあどうすれば?」
 
 外国人相手のためいくら国内営業でも言葉の壁は払拭できず、また好みも一風異なることもあり、それも困惑されることでしょう。そして、一社単独で成り立つ商材があるのか?町おこしのように誘致するのかなど、また「それもそうそうには・・・」という声も聞こえてきそうですが。
 
 そのヒントは、意外と灯台下暗しだったりします。ご興味がある方はぜひ直接ご相談ください。
 
 時代とともに世の中の流れはどこも変わってきています。これまでと同じ姿勢、視点を改め、矛先を微調整することは必要となり、常にアンテナを高く張ることかもしれません。
 
 因みに楽天が香港市場参入のため、出展者は加味し商品ラインアップの見直しをされるとよいでしょう。
 
 さて、円安を利用し、売上がドル建てとなる商売を狙うのか?円安が更に追い風となりやってくる消費者を狙うのか?貴社はどちらでしょうか?
 
ワイルドベリー・インターナショナル香港HP:http://wildberry-intl.com

 

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