第42回「長期停滞期にある日本の震災復興と景気〜周回遅れからフロントランナーへのチャンス〜 」

<< 前の記事 次の記事 >>

日本は昨年、リーマンショックから立直って来た段階で大震災に襲われ、原発事故や超円高に苦しみました。世界も、欧州重債務国の信用不安から金融危機に発展して景気減速し、さらにタイ大洪水によるサプライチェーン寸断という打撃の追撃ちを受けました。

日本経済は、2001年から10年間の年平均経済成長率が実質0.7%、名目▲0.5%(内閣府)という長期停滞に陥っています。その結果、経済が長期衰退することを意味する「ジャパナイゼーション(日本化)」という英語まで出来ました。そこを襲った大震災と原発事故は東北地方に壊滅的な被害をもたらし、長期停滞期にあった日本は止めを刺されたかに見えました。

しかし経済的に見れば、破壊された東北地方沿岸部の復興はインフラや土木建築の新たな需要を生み出します。昨年組まれた復旧復興を含めた補正予算は、3次までの合計で18兆円にも上ります。これらが復興需要として本格的に景気を押上げるのは今年からで、その効果は3次補正だけでGDP1%に相当すると予想されています。

また、欧州の政府債務問題は、リーマンショック後の金融危機を乗切るための過重な財政支出が、欧州主要国国債の信用問題に及んできたことです。米国も南欧諸国も、不動産バブルに酔ったつけが一気に回ってきました。

欧州の政府債務問題も米国の住宅価格・失業率改善問題も、その解決にはこれから数年を要する見込みです。日本の金融機関がバブル崩壊から不良債権処理、バランスシート調整の完了までに要した長い期間を思い出せば、問題の深刻さは明確です。

ところで、2012年は日本人自身が日本を見直すべき年です。欧米がこれから数年間、バランスシート調整に手間取るのを横目に、日本は既にその調整を終えています。日本の金融機関・金融システムは、欧米に比べて1周遅れと揶揄されていましたが、世界情勢が大転換して財務健全性と事業展開力に関しては、いまや先頭を走っていると考えられるのです。

成長地域であるアジア諸国と地理的経済的に密接な関係がある日本が、震災復興という内需とアジアの成長という外需を生かして、再び活力を取戻すのが2012年でなければなりません。何故なら、震災復興特需は必ず発生しますが、いつか必ずなくなります。国際的な生存競争の中で、日本の生残りに残された時間はそれほど長くはありません。

                                                 以上

<< 前の記事 次の記事 >>

バックナンバー

経営コラムニスト紹介

FPインテリジェンス代表 白根寿晴氏

白根寿晴氏
FPインテリジェンス代表
大野・白根共同事務所
所長

「稼いでも、社長が守らなければ、お金は残らない」とオーナー企業の会社の財産保全、
資金の効率的な運用、後継者への相続設計を専門とした社長の財産づくりを指導。

保険、不動産、プライベートバンキング、弁護士、司法書士などをネットワーク化し、
お金の入口から出口まで、会社の規模、業歴などに応じたコンサルティングを展開。
豊富な指導経験とその実績に裏打ちされた手法は、オーナー経営者はもとより、資産家、
地主からも定評。本格的な海外資金運用の利点も活用できるように自ら海外の永住権も取得、
海外税務、法務の実務も研究。

早稲田大学法学部卒業後住友電気工業を経て、税理士、CFPを取得。
現在,大野・白根共同事務所所長,日本FP協会副理事長,エフピーインテリジェンス代表取締役。
著書に「会社にも自分にももっとお金を残す本」、「定年後のお金全疑問45」他多数。

おすすめ商品

経営コラムメニュー

人気ランキング

次の売れ筋をつかむ術

04月20日更新

次の売れ筋をつかむ術
眼と耳で楽しむ読書術

04月27日更新

眼と耳で楽しむ読書術
藤沢久美のビジネス発想塾

04月20日更新

藤沢久美のビジネス発想塾

最近更新されたコラム

05月11日更新

会社と社長のための資産管理講座

05月11日更新

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

05月11日更新

新・会計経営と実学

05月11日更新

デジタルAVを味方に!新・仕事術

おすすめコラム記事

社長学講話CD

一倉 定の社長学講話CD・テープ シリーズを紹介しております

日本経営合理化協会AV局
 
 
日本経営合理化協会