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第14回 教わる側の意欲を引き出すために(3)

第14回 教わる側の意欲を引き出すために(3)

前回に引き続いて「一対一(マンツーマン)で学ばせる」際に重要になる、
教わる側の意欲の引き出し方について見ていきます。

教わる側の意欲を引き出すためのキーワードは、「有意義感」「達成感」「自己重要感」の3つです。
第8回でご紹介した「教え方の基本フレームワーク」に基 づいて、今回は社員に「自己重要感」をもたせることで、
意欲を引き出す方法について見ていきましょう。

 

【自己重要感をもたせる】

「自分なんか、いてもいなくても同じ」こう思ってしまったらやる気は出てきません。
自分はこの組織において「かけがえのない存在なんだ」と思えなければ、仕事をやろうという意欲は出てきません。
本人の自己重要感を満たすことが大切なのです。
 

期待を示す

人は期待されると期待に応えようとします。ピグマリオン効果は有名ですよね。期待されていると感じれば、
人は意気に感じ「よし!やってやろう!」と思うものです。
人から期待されるということは、それだけ自分の存在を認めてくれているということですし、
信頼してくれているということです。「あー、特に期待し ていないから」「どうせダメでしょう」という風に接せられたら、
やろうという気にはなれないですよね。

「あなたにはこういうところを期待している」「君のこういう点が、職場によい影響をもたらしてくれている」と、
折を見ていってあげましょう。照れくさいか もしれませんが、言わないと伝わらないこともあるものです。
こういうことを言えるチャンスは、目標設定のミーティングや飲みにケーションの場でもあるでしょう。
言われたほうは、こちらが思っている以上に、こういう言葉に喜ぶものです。
普段なかなか言われないですからね。


声かけをする

 「昨日は遅くまで大変だったね」「あのお客さん、あの後何か言ってきた?」
日常の何気ない声かけも大切です。「あなたのことを気にかけているんですよ」 というメッセージになるからです。

また、常に声かけを意識することで、教える相手の言動に気を配ることができます。
「ん、何か様子がおかしいぞ。」「困っているみたいだなー。」というサイ ンは、見ようとしないと見えないものです。
そんなときに少し話しをしたり、相談にのってあげたりすれば、大概のことは解決されます。
サインを見逃すと、大きな問題になってしまうものです。


ほめてアクノリッジメント

コーチングの技術、アクノリッジメント(承認)も、自己重要感を満たし意欲を引出す際に有効です。
承認の一つとしての「ほめる」ことにより、相手のやる気 を引き出すことができます。
組織に属するビジネスパーソンにとって、周囲(特に経営者)から褒められることは、モチベーション(意欲)を
高めるために重要な要素になります。
「自分のことをしっかり見てくれているのか?」「頑張ったことを評価してくれているのか?」
ほめられることによって、これらの疑問が解消されるのです。


真剣に叱る

相手を真剣に叱ることも、相手の意欲を引き出すことにつながります。何故か。
「それだけ自分のことを真剣に考えてくれているんだ」と、彼らの自己重要感を 満たすことにつながるからです。
叱ることはエネルギーがいることです。言うほうも言われるほうも、一時的に嫌な思いをします。
そこまでしても「言うことが 相手のためになる」「もっとよくなってほしい」という願いと共に叱る言葉は、
相手の心を動かします。どうでもいい人には、そこまでして叱りませんからね。 あきらめるだけです。

叱る際には、悪役俳優の片岡五郎さんが『叱る魔術』で提唱されているように、
事前にシナリオを考えることをオススメします。「叱るシナリオ」を考えるとい うことは、
その場で感情的に怒るのではなく、少し時間を置いて効果的な叱り方を考えることができるということです。
「叱る目的は何か?」「何に気づいてほ しいのか?」
「どういう順番で話を持っていったら相手は受け入れやすいか?」事前によく考えてから叱るのです。

以上、今回は社員の意欲を引き出すために、
彼・彼女らの「自己重要感」を満たす方法について確認してきました。次回もお楽しみに!


参考書籍:
 

「叱る魔術」
片岡五郎著 日本実業出版社


「これだけはおさえておきたい仕事の教え方」
関根雅泰著 日本能率協会マネジメントセンター

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経営コラムニスト紹介

株式会社ラーンウェル 代表取締役 関根 雅泰(せきね まさひろ)氏

関根 雅泰
(せきね まさひろ)氏 株式会社ラーンウェル 代表取締役

自らどんどん仕事を覚え・つくりだし、責任のある仕事をこなし、
あっという間に職場の中心人物になる。

そんな、社内の中心人物になる、「デキル社員」を育てるプロフェッショナル。
仕事のデキル社員=仕事の覚えが早い=学び上手であるという共通点に着目し、
「学び上手・教え上手」を育成・指導するラーンウェルを設立。
人材育成の「みえる化」をすすめ、社員教育の仕組みづくりを構築。
「社内研修のあり方、やり方」、「社外研修の選び方、活用方法」、
「研修教材の効果的使い方」など、人材育成に関する様々な講演をこなすとともに、
多くの著書を執筆。特に、新入社員を「学び上手」に育て、
先輩社員を「教え上手」に育てあげることには、定評があり、
年間 1000人を超える人材の育成指導にあたっている。

1972年埼玉県生まれ。高校卒業と同時に渡米し、
95年に州立南ミシシッピー大学を優秀学生として卒業。
96年に帰国後、学習教材の訪問販売会社に営業職として就職。
99年に企業内教育コンサルティング会社に転職、最年少講師としてデビュー。
05年に「学び上手・教え上手」を育成するラーンウェルを設立、代表に就任。

【関根雅泰氏の社員教育CD】
「社員教育のすすめ方」CD

【主な著書】
「教え上手になる!大人を相手の教え方」
(2006年 発行:クロスメディアパブリッシング・発売:明日香出版)

「早く一人前になるための仕事の覚え方」
(2006年 発行・発売:日本能率協会マネジメントセンター)

「営業に役立つコミュニケーションのポイント」
(2006年 発行:クロスメディアパブリッシング・発売:明日香出版)

「仕事の教え方」
(2007年 発行・発売:日本能率協会マネジメントセンター)

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