今回も「一対一(マンツーマン)」で教える際のポイントを確認していきます。
教え方の基本ステップ1.~4.
さて、今回からは更に具体的な教える技術として「教え方の基本ステップ」を見ていきます。
仕事を教える際には、ふむべき 「4つのステップ」があります。
1.実演する
2.説明する
3.実行させる
4.評価する
の4つです。山本五十六元帥の有名な言葉でありますよね。
「やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、ほめてやらねば、人は動かず」
この「教え方の基本ステップ」のポイントは、社員にPDCAを回させるという点です。
社員が、自分で仕事をどのように進め るかを考え(Plan)実行し(Do)結果を検証し(Check)次に活かせる(Act)。
第7回で確認したように、このPDCAサイクルを、社員自身が 回せるように意識しながら教えるのです。
では、最初に「基本ステップ1.実演する」を見ていきましょう。
≪教え方の基本ステップ1≫ 実演する~やって見せる
・百聞は一見にしかず
仕事の教え方の第一ステップは、「実演する~やって見せる」という方法です。
口で言うより、見てもらった方が早いという場 合によく使いますよね。お客様との接し方や、道具の扱い方など。
教える側がまずやってみて、それを教わる側が真似する。現場見学や同行訪問を通して、教え るやり方です。
この「実演する」という教え方で注意すべき点があります。
それは、ただ漠然と見せても、人はなかなか学べないという点です。
勘の良い人なら、何も言わずに、やっている姿を見せるだけで、気づいてくれます。
ただ、皆が皆そうだとは限りません。
また、骨董屋が目利きを育てるときのように、何も言わずに良いものを見させるというや り方がありますが、
この方法は時間がかかります。私たちには、あまり時間がありません。
悠長に育つのを待っている余裕がないというところも多いでしょう。
・分解する
そこで必要になるのが「分解する」という手法です。
やって見せる際に、ど こを見てほしいのか「部分を提示する」のです。
「お客様と接するときの、この部分を見ておいて」
「まずは機械のスイッチの入れ方と切り方だけ覚えておいて」
といった感じで、部分だけを見てもらうようにします。
プロテニスプレーヤーの松岡修三さんは「身体をひねる」という動きを「まずは右足一本でたってボールを打って」
「次に左足をふってボールを打って」と、動作を分解しながら教えています。
「ここを見てほしい」と、分解できる人は、仕事がわかっている人です。
ただなんとなく仕事をしていたり、深く考えずに仕事 をしている人は、分解することはできません。
「何でもいいから、とりあえず俺のやることを見とけ!」という教え方になってしまうのです。
・100%完璧にやろうと思わない
自分がやって見せるというと「完璧にやらないといけない」「失敗した ら恥ずかしい」と思う人も多くいます。
本来は、相手の見本になるぐらい、上手にやって見せられるのが理想です。
「やっぱり、さすが だな」と思ってもらえれば、そのあと教えるのもスムーズになります。
ただ、「自分はそこまでできない」「自信がない」という人も当然いるでしょう。それはそれでよいのです。
現場は生ものですから、思ったとおりにいかないこともあるものです。
仮に失敗したとしても「あれは悪い例として学んで。」と一言いえばいいだけのことです。
・他人を使う
どうしても自分でやって見せることができないという人は、他人を使うというのも手です。
「Aさんが、~をするところをよく見ていて」
「Bさんは、~が上手いからね」
といった形で、こちらが解説しながら他人を見させるのです。
職場にはプレーヤーとしては一流でも、トレーナー(教える人)としては三流という人もいます。
そういう人には、直接教えさせず、あくまで「実演者」という位置づけにして、別の人間が教えるのです。
職場のメンバーを上手に活用しましょう。
・ビデオ・DVDを使う
社員教育用教材として市販されているビデオ・DVDを使うのも手です。
特に、人に対する接し方を教える場合、ビデオ・ DVDに出てくる「モデルケース」は有効です。
お客様との営業面談、ビジネスマナー、電話対応、ク レーム対応、部下指導など。
多くの場合、「良い例」「悪い例」が出てきますから、それらを見せることで、こちらの伝えたいことが一 発で伝わります。
言葉で説明しようとしても難しいのが、ビデオ・DVDを見せれば一目瞭然となるからです。
特に、新人の場合、「良い例」を何度も見させることをオススメします。
そうすることで、「良い例」のイメージを頭の中に刷り込むことができるのです。
そういった「繰り返し学習」がしやすいのも、ビデオ・DVDの特徴です。
以上、今回は「教え方の基本ステップ1.実演する」を見てきました。次回もお楽しみに!
参考書籍:
「これだけはおさえておきたい仕事の教え方」
関根雅泰著 日本能率協会マネジメントセンター
以上


自らどんどん仕事を覚え・つくりだし、責任のある仕事をこなし、
あっという間に職場の中心人物になる。
そんな、社内の中心人物になる、「デキル社員」を育てるプロフェッショナル。
仕事のデキル社員=仕事の覚えが早い=学び上手であるという共通点に着目し、
「学び上手・教え上手」を育成・指導するラーンウェルを設立。
人材育成の「みえる化」をすすめ、社員教育の仕組みづくりを構築。
「社内研修のあり方、やり方」、「社外研修の選び方、活用方法」、
「研修教材の効果的使い方」など、人材育成に関する様々な講演をこなすとともに、
多くの著書を執筆。特に、新入社員を「学び上手」に育て、
先輩社員を「教え上手」に育てあげることには、定評があり、
年間 1000人を超える人材の育成指導にあたっている。
1972年埼玉県生まれ。高校卒業と同時に渡米し、
95年に州立南ミシシッピー大学を優秀学生として卒業。
96年に帰国後、学習教材の訪問販売会社に営業職として就職。
99年に企業内教育コンサルティング会社に転職、最年少講師としてデビュー。
05年に「学び上手・教え上手」を育成するラーンウェルを設立、代表に就任。
株式会社ラーンウェル
【主な著書】
「教え上手になる!大人を相手の教え方」
(2006年 発行:クロスメディアパブリッシング・発売:明日香出版)
「早く一人前になるための仕事の覚え方」
(2006年 発行・発売:日本能率協会マネジメントセンター)
「営業に役立つコミュニケーションのポイント」
(2006年 発行:クロスメディアパブリッシング・発売:明日香出版)
「仕事の教え方」
(2007年 発行・発売:日本能率協会マネジメントセンター)



